Enterprise Information Integrationのキーワードは「論理統合」
2003/4/16
イーズ・コミュニケーションズは4月15日、企業内情報統合(Enterprise Information Integration:EII)支援サーバ「LinkmaxES」の最新バージョン「LinkmaxES 3.1」を発売すると発表した。代表取締役社長の平沢昌雄氏は「企業内のシステム連携で最も重要なのはアプリケーション連携ではなく、実はデータ連携である」とし、EIIの重要性を強調した。
EIIとは、論理統合を行うことでデータのフォーマットや、保管場所を変える必要がない分散データ管理を実現するデータ管理ソフトウェアの総称。Webアプリケーション開発における3階層のうち、2階層目と3階層目、すなわち実データとアプリケーションロジックの間に位置して、両階層を仮想的に統合するミドルウェアのことだ。
従来、データベースベンダは、EIIに象徴される“データベースの連合化(仮想データベース)”という構想に取り組んできたが、分散クエリの開発スキルを持つエンジニア不足やパフォーマンスの限界のために、目に見える形での成功事例を提示できなかった。
結果的に、現在の一般的なWebシステムのデータ構造は、アプリケーションロジック層に分散するさまざまなアプリケーションとデータ層に格納される多様なデータが、FTPやJDBC、SOAPなどさまざまなプロトコルによって、個別に対応する状況となってしまっている。
企業内のシステム連携というトレンドの要(かなめ)としては、EAI(Enterprise Application Integration)が有名だが、「アプリケーション統合(主にJavaエンジニアを想定)という局面でも、データベースの連携は欠くことのできない要素。しかし、データベースのスキルを持つJavaエンジニアはほとんどいない」(平沢氏)という状況の中で、LinkmaxES
3.1は、データベースの高度なスキルがなくとも、データ連携を実現できるサーバとしては国内初の製品であることを、同社ではアピールしている。
同社の解説によると、EAIツールにできなくて、EIIツールで可能な特長として、データベースの論理統合、統合ビューの提供、統合キャッシュの実現、データベースの同期・複製、統合データベース構築などが挙げられる。一方で、データ変換については、EAIに一日の長があり、プロセスマネジメントなどのシステム全体における大規模な管理業務となると、EIIツールでは対応できないという面を持つ。
競合製品には、日本BEAシステムズの「bea Liquid Data」や日本IBMの「DB2 Information Integrator」がある。
(編集局 谷古宇浩司)
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