Tivoliの新ソフトは「ユーザー管理をオートノミックに」

2003/4/18

 日本IBMはアカウント管理を自動化する統合ユーザー管理ソフトウェア「IBM Tivoli Identity Manager V4.4」(TIM)を5月6日に出荷開始すると発表した。ユーザー情報の登録から各種設定、変更、失効までの作業を自動化することができ、IBMは「オートノミックなユーザー管理を実現する」と強調した。

日本IBMのソフトウェアグループ Tivoli事業部長の石原明氏

 TIMはWebベースの管理コンソールを使って、複数システムにまたがるユーザーのアカウント情報を一括管理できる。ビジネスプロセスやセキュリティポリシーを定義することができ、人事異動の際にID管理者がコンソール上でユーザー情報を、別の部署に移動させると、アカウント情報やアクセス権限などが自動的に変更される。ユーザーが退職した場合には、コンソール上でユーザー情報を失効させるだけで、関係するすべてのシステムで自動的にアカウントを削除する。これらプロビジョニング機能で、ユーザー情報のライフサイクル管理ができ、管理の複雑さを低減するという。

 TIMはAIX、Solaris、Windows NT上で稼働。管理の対象となるのはAIX、OS/400、Windows 2000/Active Directory、Novell Netware、DB2 UDB、Oracle、SAP R/3など多数。日本IBMのソフトウェアグループ Tivoli事業部長の石原明氏は、「顧客が選択したプラットフォームに対して、Tivoliはオープンで幅広い対応を実現している」と述べ、サポートするプラットフォームの多さをアピールした。TIMのサンプル構成価格は1027万円(1000ユーザー、10CPUの場合)となっている。

 アカウントの一括管理といえば、ディレクトリサーバを使うソリューションが多いが、IBMでは「TIMにとってはディレクトリサーバはリソースの1つ」としていて、「アカウントの自動配置などプロビジョニング機能はディレクトリサーバではできない」と差別化している。

 TIMは金融や製造業を主なターゲットにして年内中に10件の顧客獲得を目指す。現在3〜4番目という国内システムマネジメント分野でのTivoliのシェアを押し上げて、「1を目指したい」(石原氏)という。

(垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料

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