運用管理システムで、日本が世界をリードする日

2002/11/16

情報処理相互運用技術協会(INTAP)のOSMIC企画委員会 委員長 黒崎芳行氏

 「企業の基幹システムと運用管理システムの結びつきはますます強くなっている。企業のM&Aが増加していて、運用管理システムの相互接続ニーズは拡大している」。情報処理相互運用技術協会(INTAP)のOSMIC企画委員会 企画委員長 黒崎芳行氏は、11月15日に開かれたイベント「システムズ・マネジメント・フォーラム 2002」でこう訴え、「異種運用管理システムを相互に接続するための業界標準が必要だ」と述べた。

 ハードベンダやソフトベンダは、自社製品のために運用管理システムを用意していることが多い。例えば、日本IBMであれば「Tivoli」が、NECであれば「WebSAM」といった具合だ。もちろん、運用管理システムに他社製品が加わっていても運用管理できるが、運用管理システム同士を接続して、相互に管理し合うことは難しかった。

 OSMIC専門委員会は、システム運用ベンダを中心にシステム・インテグレータやディストリビュータなど22社が参加して、マルチベンダ環境での運用管理システムの相互接続の業界標準仕様を策定している。

 黒崎氏によるとOSMICの基本原則は、「デファクトスタンダード技術を使うこと」。OSMICが2000年9月に策定した運用管理システムの相互接続のための仕様「MAXI 1.0」では、SMTPを使って、1つの運用管理システムに問題が起きた場合に、別の運用管理システムに電子メールを使って通知するフレームワークを構築した。このようにデファクトスタンダードのSMTPを使い、イベントの形式をXMLで記述することで、異なるベンダの運用管理システム同士でも接続できるようにした。NEC、日立製作所、富士通、住友電工の4社で接続実験をして成功しているという。

 MAXI 1.0の後継仕様「MAXI 2.0」は10月30日に発表されたばかり。現在プログラムに落とし込む実装の検討段階にある。MAXI 2.0は運用管理システムのイベントの通知に加えて、それぞれのシステムの監視や、イベントの問い合わせも可能となる。MAXI 2.0はHTTPを通信プロトコルとして採用。SOAP-RPCを使ってXMLインスタンス文書をやりとりする。さらに、セキュリティも強化してSSL3.0に対応させた。

 OSMICは米国の業界団体「Distributed Management Task Force」(DMTF)と連携して、MAXIが国際標準となるように各国のベンダなどに働きかけている。黒崎氏は「日本発の仕様が世界で使われるようになる可能性が高い」と述べ、日本が貢献できることへの期待を表明した。日本で策定されたMAXIが世界標準になれば、当初から策定に参加してきた日本のベンダは有利な立場になる。そうなれば、運用管理システムで日本のベンダの存在感が増すことも考えられるだろう。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
情報処理相互運用技術協会(INTAP)

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