「Windowsが信頼性99.999%の領域に」、NECが新サーバ

2003/5/15

NECが出荷する「Express5800/1000」シリーズ

 NECは、64ビットプロセッサ「Itanium 2」を最大32個搭載可能な同社IAサーバの最上位機種「Express5800/1320Xd」など3機種を、6月30日に出荷すると発表した。NECで初めて64ビット版Windows Server 2003に対応。NEC 執行役員常務の近藤忠雄氏は、Itanium 2とWindows Server 2003の組み合わせで、「社会インフラを担うことができる信頼性99.999%の領域に入りつつある」と述べて、UNIXサーバからの置き換えを推進する考えを強調した。

 出荷するのは、Itanium 2を最大32個搭載できる「Express5800/1320Xd」と、16個まで搭載可能な「Express5800/1160Xd」、8個搭載できる「Express5800/1080Xd」の3機種。価格は最上位のExpress5800/1320Xdが3512万9000円から、Express5800/1160Xdが2212万9000円から、Express5800/1080Xdは838万9000円からとなっている。

 3機種はそれぞれ搭載プロセッサをパーティションに分けることができる。1つのパーティションは最大4個のItanium 2プロセッサを搭載し、別々のOSを稼働させられる。1つのパーティションに障害が発生しても別のパーティションには影響がでない仕組みなっている。利用していないパーティションを予備として確保しておき、1つのパーティションに障害が発生した際にフェイルオーバーさせることもできる。
 

NEC 執行役員常務の近藤忠雄氏

 対応するOSは、現在のところWindows Server 2003だが、hp-ux、Linuxへの対応を検討している。パーティションごとに複数のOSをインストールすることで、サーバ統合にも利用できる。基幹系のデータベース、データウェアハウス(DWH)、ビジネス・インテリジェンス(BI)、ERPなどの利用に適しているという。NECはExpress5800/1000シリーズとSAP R/3、Windows Server 2003、SQL Serverを組み合わせ、パフォーマンスを事前に検証したソリューションパックも用意する。

 近藤氏は、Express5800/1000シリーズの販売目標を「3年で1000台」と説明。だが、この目標はWindows Server 2003搭載機種の数字で、hp-uxやLinuxを搭載したExpress5800/1000シリーズを含めると2000台が目標だという。つまり販売台数の半数をWindows Server 2003搭載機種で売るということで、NECの積極性がわかる。発表会見にはマイクロソフト 代表取締役社長 阿多親市氏が出席。「次世代ストレージの開発や自律コンピューティング戦略“Dynamic Systems Initiative”で連携したい」と述べ、NECとの関係強化を印象付けた。

(垣内郁栄)

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NECの発表資料

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