データコア、「ストレージの暗黒時代を抜けて」

2003/5/17

 データコア・ソフトウェアは、バーチャリゼーション(仮想化)機能を強化したストレージ管理ソフトの新版、「SANsymphony 5.1」を6月下旬に出荷すると発表した。ストレージからリソースを切り離して、サーバに対して論理的に割り当てることができ、ストレージの使用率を向上させるという。データコアでは「ハードに依存せず、効率的なストレージの利用が可能だ」と特徴をアピールしている。

 SANsymphony 5.1は、EMCやIBM、ヒューレット・パッカードなど主要なストレージベンダのハードに対応。ヘテロジニアス(異機種混在)な環境で、複数ストレージのリソースを仮想的に構築し、各サーバに対して論理的なストレージボリュームを提供する。各ストレージの空き容量を統合することで、使用率を上げて、効率的な運用が可能だという。

 新バージョンでは、インターフェイスを強化。管理用コンソールを使いやすくし、接続しているネットワークデバイスを色分けすることで、わかりやすくした。また、ミラーリングやスナップショットなどの機能は、1回の操作で処理できるようにした。データコアでは、「ハイエンドのストレージが持っている機能をあらゆるストレージに適用できる」と説明した。価格はオープンだが、1000万円程度からとみられる。データコアでは、100サイトの新規導入を狙っているという。

米データコア・ソフトウェアのCEO ジョージ・テクセイラ氏。「厳しい時代だが、ストレージ業界はこれからも成長を続ける」と述べ、自信を見せた

 データコアはまた、SANsymphony 5.1に関してNECソフトとOEM契約を結んだ。NECソフトは、SANsymphony 5.1を使ったシステムのコンサルティングから設計、構築、導入までトータルに手がける考え。SANsymphony 5.1関連ソリューションの販売やシステム構築、保守サービスなどで3年間で30億円の売り上げを見込んでいる。

 米データコア・ソフトウェアのCEO ジョージ・テクセイラ(George Teixeira)氏は、ストレージ業界の現状について、「顧客は低コスト、優れた価格性能比、ネットワーキングによる生産性向上を求めている」と説明。「ストレージは、SANなどネットワーク・ストレージ、ディスクのコモディティ化へ必然的に移行し、管理ソフトの柔軟性が評価されるようになる」と述べ、「ストレージは、暗黒時代を抜けて、モダニゼーションを迎えなくてはいけない」と業界に変革を呼びかけた。

(垣内郁栄)

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