不況下でIT業界団体ができる3つのこと
2003/5/31
JEITAの新会長に就任したNEC代表取締役会長の佐々木元氏 |
電子情報技術産業協会は5月30日に通常総会を開催し、会長の谷口一郎氏(三菱電機代表取締役会長)の任期満了に伴い、NEC代表取締役会長の佐々木元氏をJEITAの新会長に選出した。任期は1年。佐々木氏は、低迷する経済環境やSARS、国際紛争などで「世界経済の不透明感が増す中で会長に就任することになる」と述べた。
佐々木氏によると、2002年の電子産業の国内生産高は、前年比12%減の18兆340億円で、2年連続の2ケタ減となった。佐々木氏は、国内電子産業を再生させるためにJEITAが取り組む課題として3点を説明。1点はエレクトロニクス市場の活性化。半導体やディスプレイなどJEITAが戦略的と位置付ける産業分野を産学官プロジェクトの推進などでバックアップする。佐々木氏は「JEITAが設定したエレクトロニクス市場の2003年の成長率、3.6%を少しでも上回るよう努力したい」と述べた。
2つ目の課題は今年末に3大都市圏で始まる地上デジタル放送の普及促進。2011年のアナログ波の停止、デジタル放送への切り替えを見据えて、「消費者の理解を得るのが何よりも重要と考えている」と佐々木氏は指摘した。3つ目の課題は、今年10月に始まる家庭系PCのリサイクル事業の成功。JEITAの担当者がすでに全国の地方自治体、販売店に説明に回っているという。
JEITAは2003年度の事業計画も発表した。情報システム分野では、ブレードサーバやIA-64サーバの市場調査を新たに開始。サービス、ソリューション事業の拡大を受けて、コンサルティングの品質評価基準や顧客満足測定方法の業界標準の確立を検討する。Linuxなどオープンソースソフトの市場調査を行い、新規ビジネスの市場構築について提言をするという。ユビキタス・コンピューティング、グリッド・コンピューティングについても研究する。
(垣内郁栄)
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電子情報技術産業協会(JEITA)
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