ストレージデータは危険にさらされている

2003/6/26

東京エレクトロン マーケティング・グループ 事業開発担当 課長 上善良直氏

 東京エレクトロンは6月25日、米ネオスケール・システムズのストレージ・セキュリティ・アプライアンス「CryptoStor」シリーズを発売すると発表した。製品は、テープ装置を対象とする「CryptoStor for Tape」とディスク装置を対象とする「CryptoStor FC」の2つ。東京エレクトロンでは、同シリーズをSANにおけるセキュリティ製品と位置付け、3年間で10億円の売り上げを目指す。

 「CryptoStor for Tape」はテープ装置を対象とした暗号化製品。2GのファイバーチャネルまたはLVD SCSIポートに対応し、バックアップデータの暗号化と圧縮をテープメディアに対してデータ転送することができる。すべての鍵/ポリシー情報はカタログ化して管理することができ、リモート/遠隔地補完のテープの復元をハードウェアなしで実行可能である。
 
 一方、「CryptoStor FC」はストレージデータそのものを暗号化するディスク装置向けの暗号化製品。ストレージのファイアウォールとしても機能する。透過null Portをサポートしているため、既存のSAN環境を維持しながら、導入することが可能となっている。

 東京エレクトロン マーケティング・グループ 事業開発担当 課長 上善良直氏は「今回発表した製品は、業界初のセキュリティ・アプライアンス製品」だと話す。これまで、ファイアウォールやVPNを構築し、さらにアクセス・コントロール製品を導入することで、SAN環境に対する外部からの攻撃はほぼ防げる状況になっている。しかし、「不正アクセス」を行う“犯人”が社内(組織)内部のスタッフが多数を占めることは、多くの調査で報告されているとおりだ。そのためにも、データそのものを暗号化し、「ネットワークの内部・外部を問わず、アクセス自体を困難にする仕組みが必要であるとともに、もしアクセスされた場合でも、データそのものを解読不可能な状態にしておく必要がある」と上善氏は言う。

 ネオスケール・システムズが開発した「CryptoStor」シリーズは、現段階では、ファイバチャネルをサポートしているが、将来的にはIP対応も行っていく予定。

(編集局 谷古宇浩司)

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