無許可APを摘発する“無線LANの警官”、ノーテル
2003/7/2
ノーテルネットワークスは無線LAN対応のスイッチとアクセスポイントを出荷すると発表した。ノーテルが国内で無線LAN製品を出荷するのは初めて。ネットワークベンダの中では後発となるが、米ノーテルネットワークスのプロダクト ライン マネジャー ラヴィ・クマール(Ravi Kumar)氏は、「無線、有線のネットワークを統合できるのはノーテルだけ」と、自信を見せた。
「Nortel Networks WLAN Security Switch 2250」(左)と「Nortel Networks WLAN Access Point 2220」。手前は同時発表の無線LANカード「Nortel Networks WLAN Mobile Adapter 2201」 |
ノーテルが発表したのは無線LAN対応のスイッチ「Nortel Networks WLAN Security Switch 2250」。接続したアクセスポイント間やサブネット間でPCを移動させてもIPアドレスやユーザープロフィールを維持するローミング機能が特徴。企業ネットワークや公衆無線LANのサービスで利用できるという。「モバイル対応トンネリング」機能があり、無線LANにアクセスするデバイスのセキュリティ状況や利用するプロトコルによって、利用できるネットワークのディレクトリや閲覧できるWebサイトを設定できる。また、ネットワークの帯域幅をコントロールする機能があり、VoIPを利用する場合に帯域の50%を確保するなど柔軟な設定ができる。
Security Switch 2250でユニークなのは、無線LAN内で許可されていないアクセスポイントを“隔離”する機能。オフィスなどではスタッフが勝手にアクセスポイントを設置し、セキュリティが甘い無線LANを利用してしまうことがある。Security Switch 2250はこの無許可アクセスポイントを見つけることができる。アクセスポイントの発見には、ノーテルが開発したプロトコル「IAPP」(インター アクセス ポイント プロトコル)を利用。Security Switch 2250はIAPPを利用し、アクセスポイントやノートPCのMACアドレスを管理する。ノートPCが、Security Switch 2250に登録されていないネットワーク内のアクセスポイントにローミングし、アクセスした場合、Security Switch 2250が警告を発して、ネットワーク管理者などに知らせる。クマール氏は、「Security Switch 2250がワイヤレスネットワークの警察機能を果たす」と説明した。将来は無許可アクセスポイントが利用するポートを閉じることができるようにする。
米ノーテルネットワークスのプロダクト ライン マネジャー ラヴィ・クマール氏 |
Security Switch 2250はギガビットイーサのポートを2口、100BASE-Tのポートの4口そろえる。SSLコネクションや、IPSecトンネリングを可能にするハードウェアモジュールを搭載。IEEE802.11iにも将来的に対応させる予定だ。出荷は8月で、価格は164万円。
同時に発表した無線LANアクセスポイント「Nortel Networks WLAN Access Point 2220」は、IEEE802.11a/bの2方式に対応した製品。MACアドレスやWEPキーを利用したセキュリティ機能が利用できる。今年第4四半期(10-12月)に出荷予定。価格は14万2000円。
ノーテルは年内中にパフォーマンスやポート数を向上させたSecurity Switch 2250の後継製品を投入する計画。クマール氏は「ホットスポット事業や金融、政府、メーカー、ヘルスケアなどがターゲット」と述べ、アクセスポイント管理や暗号化など高いセキュリティが要求される事業分野を中心に売り込む考えを示した。
(垣内郁栄)
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ノーテルネットワークスの発表資料
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