社運をかけた企業戦略、その効果を測定するBIツール

2003/7/4

コグノスは、企業戦略を実行した場合の効果や結果を測定することに注目したビジネス・インテリジェンスツールの最新版、「Cognos PowerPlay7 v2」を7月31日に出荷開始すると発表した。

 PowerPlay7 v2は「CPM」(Corporate Performance Management)という考えに基づいて開発されたBIツール。ERPやSCM、CRMなどが蓄積したデータからデータウェアハウス(DWH)を作成し、分析。ビジネス戦略の効果と、その実行の程度について企業内のあらゆるデータを連携させ評価する。ビジネス戦略の成功や問題の要因を明らかにできる。

 PowerPlay7 v2の基本機能は、1年単位から4半期単位、月単位のようにデータを細分化して分析する「ドリルダウン」、さまざまなデータを組み合わせて表組みを作成し、見たいデータを瞬時に表示する「スライス&ダイス」。分析したデータは表組みのほかに円グラフや線グラフなどを使い分かりやすい形でレポーティングできる。

コグノス 代表取締役社長の田上一巳氏

 BIは、利用者が思考するスピードに合わせて、瞬時に分析結果をレポーティングするパフォーマンスが求められるツール。企画部門の専任担当者だけでなく、一般社員や経営者層も利用するため使いやすい操作性も必要となる。PowerPlay7 v2はクライアントとしてWebブラウザを利用。Javaアプレットやプラグインを使わずに高度な表現を可能にする「Pure Web」という技術を採用している。クライアントに対して新たなソフトをインストールする必要がなく、Webブラウザのみでデータ分析ができる。クライアントソフトをアップグレードしたり、操作法を教育する必要がなくなり、企業にとってコスト削減になるという。コグノス 代表取締役社長の田上一巳氏は、「コグノスの教育ビジネスが伸び悩むほど、ソフトのWeb化が順調に進み、操作が簡単になってきている」と述べた。

 PowerPlay7 v2は25ユーザーで360万円から。これまでコグノス製品はユーザー数とインストールサーバ数による課金だったが、PowerPlay7 v2から価格体系をあらため、ユーザー数のみの価格体系にした。コグノスはPowerPlay7 v2で1年間に240社、今期15億円の売り上げを目指す。

 田上氏によると、コグノス日本法人は2002年度に売上高で168%の成長を記録。売り上げのほとんどはパートナー経由での製品販売で、田上氏は「富士通、IBMとのパートナー戦略が実を結んできた」と述べ、今後もパートナー戦略を積極的に展開する考えを示した。

(垣内郁栄)

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