最短90日でシステムを構築、EDSが新サービス提供へ

2003/8/5

 EDS ジャパンは、最短90日でシステムを構築できる新しいサービス「EDS ビジネス・アクセラレーション・サービス」を国内で近く始める。ビジネス・アクセラレーション・サービスは欧米ですでに展開していて、日本でも同じスキルセットでサービスを提供する。

EDS グローバル・ビジネス・アクセラレーション・サービス、サービスライン プレジデントのロブ・ラスムーセン氏

 米EDSでビジネス・アクセラレーション・サービスを担当する、EDS グローバル・ビジネス・アクセラレーション・サービス、サービスライン プレジデントのロブ・ラスムーセン(Robb Rasmussen)氏は、現状の情報システム構築について「小規模のシステム構築をシステム・インテグレータに依頼すると、3年の長期契約を結ぶよう求められたり、まったく新しいシステムを導入するよう求められる。導入まで時間がかかり、コストが増大することが多い」と指摘。「EDSはこの問題点に着目した。90日から120日でシステムの問題を解決できるサービスを行っている」と説明した。

 ラスムーセン氏によると、EDSはオーストラリアの銀行を90日から100日でオンライン化したり、カナダの税務申告のシステムを約90日で構築したという。EDSは既存のインフラを利用し、システムデザインのアイデアから実際にユーザーが利用するまでの全プロセスを担当した。

 ラスムーセン氏によると、EDSがシステムを短期間、期限内に構築できるポイントは、「テクノロジー、ケーパビリティ、メソドロジーからなるEDSの方法論を使う」ことだ。システム構築の案件があると、EDSはまず、システム構築のためのテクノロジを選択。次にWebサービスやEAI、ポータルなど、実績があるソリューションを検討。過去の案件から横展開できる案件がないかもチェックする。これらのベストプラクティスを組み合わせることで、短期間のシステム構築を実現するというのだ。

 短期間、期限内のシステム構築が求められるビジネス・アクセラレーション・サービスでEDSが重視するのが、顧客との対話による問題点の洗い出し。業務プロセスの問題点をピックアップし、改善できるプロセスを探す。単に指摘するだけでなく数値など顧客に分かりやすい形で示すようにしているという。また、システム構築の成果についても目標数値を示し、顧客の信頼を得られるようにする。

 同様の方法論でシステム構築を行っているSIは数多くあるだろう。しかし、開発期間が長引き、期限内に納入できないことが多いのはなぜか。ラスムーセン氏は「顧客との対話が少なく、いきなり設計、実装に入るSIが多い。そのため構築中に当初の方向性や目標がずれてしまい結果的に開発が遅れることになる」と説明した。ラスムーセン氏は「EDSは、開発する分野を明確にする。他社のようにフォーカスがぶれることはない。開発中にCEOから求められても計画を変更することは原則的にない」という。

 ビジネス・アクセラレーション・サービスが対象とするのは、65万ドル規模の比較的小規模な案件が多いという。国内では金融や自動車、製造など幅広い業種をターゲットに新サービスを展開する。EDS ジャパンのパートナーであるNTTコミュニケーションズと協力し、行政にもビジネス・アクセラレーション・サービスを売り込む考えだ。

(垣内郁栄)

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