オラクル社長、「ピープルはいいお客を持っている」

2003/8/22

 日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏は米オラクルが計画している米ピープルソフトの買収について、「日本ピープルソフトはいいお客を持っている。買収が成立した後は真摯(しんし)な対応をし、ピープルソフトのインフラを活用していきたい」と述べ、買収成立後にピープルソフトの顧客を引き継ぐ考えを示した。米オラクルはピープルソフト買収後、ピープルの顧客を引き継ぎ、サポートを提供する一方で、ピープルソフト製品の新規開発は停止する考えを示していた。買収成立後は、日本でも同様の施策を取るようだ。

日本オラクル 代表取締役社長の新宅正明氏。株主総会会場からの中継映像を撮影

 日本オラクルの第18回定時株主総会で新宅氏が述べた。新宅氏は買収計画について、「現段階で結論を見ていない」と株主に説明。「買収成立後の日本オラクルへの影響については分析しているところだ」と述べた。一方で「成立を前提とした計画は立てていない」とし、「成立後にピープルソフトのインフラを活用していきたい」と説明した。

 株主からは経営陣に対して厳しい質問が続出した。株主の1人は「ハングリー精神が足りない。シェアを上げるための危機感が足りないのではないか」と指摘した。新宅氏は「データベース市場の国内マーケットシェアはダウンした」と述べたうえで、「ライバルはIBMでなくマイクロソフトだ」と説明。「データベースのある部分ではマイクロソフトに大きく攻められていて、製品価格が低下している」と苦境を説明した。

 新宅氏はマイクロソフトからマーケットシェアを取り戻す取り組みとして、次期データベースなど新製品の出荷を挙げた。「われわれはシェアに対する強い危機感を持っている。しかし、われわれの製品を持ってすれば、取り戻すことができる」と強調し、株主に理解を求めた。

(垣内郁栄)

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