顧客の声が作り上げた「弥生」新シリーズ

2003/10/18

弥生 代表取締役社長 平松庚三氏

 弥生は中小規模企業や個人事業者向けの業務ソフト「弥生」の新シリーズを11月21日に発売すると発表した。弥生は今年4月に、米インテュイットから分離独立したインテュイットの日本法人が社名を変更した企業。同社代表取締役社長の平松庚三氏は、「MBOから半年たち、極めて堅実な業績を残すことができた」と振り返り、「近い将来、(株式)公開を目指したい」と述べた。

 弥生が発売するのは、財務会計の「弥生会計 04」、販売管理の「弥生販売 04」、給与計算の「弥生給与 04」、青色申告作成の「やよいの青色申告 2」。それと新シリーズとして顧客管理ソフトの「弥生顧客 04」を発売する。弥生会計と弥生販売は、それぞれ機能やクライアントライセンス別に「Professional」と「Standard」がある。価格は弥生会計 04 Professionalが8万円、Standardが4万円など。

 弥生シリーズのメインターゲットは中小規模の企業や個人事業者。そのため導入のしやすさ、使い勝手の向上に最も気が配られている。弥生04シリーズでは、「インストールが難しい」という顧客の声から、動画と音声でインストール作業を支援する「導入アドバイザー」機能を追加。全体のインターフェイスも改善した。一方で、弥生会計 04 Professionalは、企業の支店、支社で入力された会計を本社で合算し計算する「分散入力機能」に対応。複数の支店、支社を持つ企業でも便利に利用できるようになった。

 シリーズに追加された弥生顧客 04は、企業の顧客情報を一元管理するソフト。購買やコンタクトの履歴を保存し、購買の動向、ニーズを分析できる。「中小企業向けの売り上げアップ貢献型ソフト」というのが弥生の売り文句だ。

 平松氏によると、2002年8月から2003年7月までの同社2003年度は、売上高が前年度比10%アップの63億円。営業利益は52%アップの17億円だった。平松氏は「急務は商品戦略の強化」と述べ、新たな商品カテゴリへの進出を示唆した。

(垣内郁栄)

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