携帯電話で最大2.4Mbpsのデータ通信、KDDIが新サービス
2003/10/23
KDDIは、下り最大2.4Mbpsの高速データ通信が可能なテクノロジ「CDMA2000 1x EV-DO」を採用した新しい携帯電話サービス「CDMA 1x WIN」を11月28日に東名阪で始めると発表した。合わせて対応する携帯電話2機種とデータ通信用のPCカード型端末を発表。高速データ通信が可能な情報システムのフロントエンドとして、携帯電話を企業に売り込んでいく考えだ。
KDDIのテレビCMに出演する俳優の妻夫木聡さんと仲間由紀恵さんが発表会見に出席し、新サービスをアピールした |
CDMA2000 1x EV-DOは下り最大2.4Mbps、上り最大144Kbpsのパケットデータ通信が可能なテクノロジ。データ通信専用の技術で、CDMA
1x WINに対応した携帯電話は、1つのチップにCDMA2000 1x EV-DOと音声通話用にCDMA2000 1x/cdmaOneの機能を搭載している。11月28日のサービス開始時に下り最大2.4Mbpsのデータ通信が利用できるエリアは、東名阪の70%。2004年3月末までに東名阪の80%と主要都市に広げ、全国の70%をカバーできるようにする。その後、全国に拡大させる。CDMA
1x WINのサービスエリア以外でも通話は可能。データ通信は下り最大144Kbpsに低下するが、利用は可能だ。
KDDIはCDMA 1x WINの開始に合わせて、携帯電話向けに電子メールとWebサイト閲覧の通信料が、利用したパケット数に関係なく定額になる料金プラン「EZフラット」を導入する。月額料金は4200円。対象は電子メールを含むEZwebの通信料。EZフラットはデータ通信専用のPCカード型端末では利用できず、PC使ったインターネットアクセスが定額になるわけではない。PCカード型端末の月額基本料は1500円で、通信料は1パケット当たり0.1円だが、KDDIはほかに定額料金を支払うことで1パケット当たりの通信料が格安になる料金プランも用意するため、「PCカード型端末でも定額制にかなり近い使い方ができる」としている。
KDDIの代表取締役社長 小野寺正氏は、CDMA 1x WINの開始で法人向けサービスを新たに展開する方針を強調した。既存のIPネットワークにCDMA 1x WINを使った無線ネットワークを追加することで、「新たなソリューション展開ができる」という。具体的には、高速データ通信を利用したSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)の利用や、IP-VPNを使った企業イントラネットへのアクセス、遠隔地からのライブ映像の配信などを説明した。
KDDIは、一部の携帯電話に「BREW」と呼ばれるプログラムの実行環境や、Javaのプラットフォームを搭載し、携帯電話をリッチクライアントとして利用する考えを過去に打ち出している。携帯電話のデータ通信速度が向上することで、企業情報システムと組み合わせた新しいアプリケーションの開発が期待される。
KDDIが11月28日に発売する携帯電話は、日立製作所製の「W11H」と京セラ製の「W11K」、データ通信専用のPCカード型端末「W01K」(京セラ製)の3種。
(編集局 垣内郁栄)
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