ストレージ技術の夢を実現? アイオメガ
2003/11/11
高速な転送速度を実現し、衝撃に強く、小さくて、消費電力も低く、大容量データの書き込み/消去が可能なストレージ技術は、製品の小型化が進む現在、あらゆるベンダが待ち望む存在といえる。PCをプラットフォームにリムーバブル・ストレージ技術を20年以上研究、開発してきた米アイオメガが新たに発表したのは、まさに「そんな夢のような技術」(同社)である。
同社は11月10日、2種類のストレージ技術を発表した。モバイル製品やコンシューマ・エレクトロニクス製品への組み込み用途を主なターゲットとしているが、中・小規模企業で普及しているテープ・バックアップ・ソリューションの代替技術としても活用できるとアピールする。
米アイオメガ・コーポレーション 社長兼CEO ワーナー・ハイド氏(左)と同 Vice President, Business Development New Technologies スコット・シーハン氏(右) |
バックアップ、アーカイブ用途として開発した大容量リムーバル・ストレージ「Removable Rigid Disk(RRD)」は、ハードディスク技術を採用することで、テープ製品よりも高い耐久性を保持している。またカートリッジ方式であるため、容量の拡張が容易に行える点も特徴だ。耐久性に関して、米アイオメガ Vice President, Business Development New Technologies スコット・シーハン(Scott Sheehan)氏は「書き換え回数はテープの平均数千回と比較して、RDDメディアは100万回以上可能」と話す。また、テープの損傷のしやすさ、低速度、高価なリニアアクセス技術の使用といったマイナス点をも指摘、「RDD技術によって、これらのマイナス点を補完する」と自信をみせた。同社のRDDドライブとディスクは、DSSテープの最大7倍(同社)の速さでデータ転送を行える。ネイティブでの最大データ転送速度は22MB/秒であり、有効データ転送速度は44MB/秒に迫る。平均転送速度で計算すると、20GBのバックアップに要する時間は約10分である。
モバイル製品向けの小型リムーバブル・ストレージ技術である「Digital Capture Technology(DCT)」は、1.5GBの大容量を小型製品に組み込むという用途に特化して設計された。このため、耐衝撃性、低消費電力、小型化、高パフォーマンスという、従来小型製品に搭載されたストレージ技術がすべて実現するには困難だった要素を「過不足なく実現した」と米アイオメガ・コーポレーション 社長兼CEO ワーナー・ハイド(Werner Heid)氏は胸を張る。この技術は、ビデオカメラやビデオレコーダー、タブレット型PCといった次世代の電子製品設計に威力を発揮するという。
(編集局 谷古宇浩司)
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