Exchange Serverにスパムフィルタ、MSが対策に本腰

2003/11/28

 マイクロソフトはスパムメールをフィルタリングするアドオンプログラムを来年春にも「Microsoft Exchange Server 2003」に追加する、と発表した。MSNのWebメール「Hotmail」でやりとりされたスパムメールから50万パターンの特性を抽出し、フィルタリングに利用する。マイクロソフト アジア リミテッド 法務・政策企画統括本部 法務本部長 水越尚子氏は、スパムメールに対する情報受付窓口を開設し、情報を収集する社内ボランティアも組織する考えを示すなど、全社体制でスパムメール対策に当たることを強調した。

マイクロソフト アジア リミテッド 法務・政策企画統括本部 法務本部長 水越尚子氏

 アドオンプログラムの名称は「Intelligent Message Filter」。Hotmailには受信したスパムメールの情報をサーバに送信する「フィードバックループ」機能がある。マイクロソフトはこのフィードバックループ機能で蓄積したスパムメールの情報を解析し、特徴を約50万パターン抽出した。このパターンをIntelligent Message FilterとしてExchange Server 2003に追加する。パターン抽出技術は「SmartScreen Technology」の名称で、すでに「Microsoft Outlook 2003」や「MSN 8」、Hotmailで利用されている。

 Intelligent Message Filterを導入したExchange Server 2003は電子メールが届くと、パターンと比較してスパムメールかどうかを判断し、1通ずつランク付けする。何段階のランクにするかは未定だが、電子メールサーバの管理者はランクによって電子メールを即時削除や保存、受け取りなど対応を設定できる。電子メールを受信するユーザーは必ずしもOutlook 2003を使っている必要はない。マイクロソフトのサーバー プラットフォーム ビジネス本部 IWインフラストラクチャ製品グループ マネージャ 中川哲氏は、Intelligent Message Filterについて「開発段階のテストではスパムメールを90%以上の確立でフィルタリングできた」と説明し、フィルタリング性能に自信を見せた。

 ただ、日本語のスパムメールについては精度は未知数。パターン抽出の基になるHotmailでやりとりされるスパムメールは、英語の電子メールがほとんどで、日本語スパムメールのサンプルがまだ充分に集まっていない。加えて、漢字、ひらがな、カタカナが混じる日本語特有の問題もある。Intelligent Message Filterのパターンは、順次アップデートされる予定で、マイクロソフトは運用しつつ日本語スパムメールに対するフィルタリング精度を上げていく考えだ。

 Intelligent Message Filterは、同社のソフトウェア アシュアランスを購入した顧客は無料で利用できる見込み。パッケージ購入などほかのライセンス形態の顧客に対しては追加料金を求める計画のようだ。

(編集局 垣内郁栄)

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