「企業システムは“運用”から“運転”へ」、マーキュリー
2003/5/23
4月15日にマーキュリー・インタラクティブ・ジャパンの代表取締役社長に就任した山中義晴氏は、「マーキュリーは単品製品売りからソリューション販売へ、そしてベネフィットビジネスを展開する」と抱負を述べた。ベネフィットビジネスとは、顧客企業に対して、問題解決と情報・知識の提供、将来の含み利益、期待以上のサービスを提供するビジネスモデルで、山中氏はマーキュリーを“LoadRunnerの会社”から脱却させることを目指す。
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンの代表取締役社長 山中義晴氏 |
山中氏は、企業情報システムの現状について、「顧客ニーズに応じてビジネスプロセスを頻繁に変更する必要があり、難しい状態だ。システムは“運用”でなく、スキルを持ったエンジニアがコントロールする“運転”が必要になってきている」と指摘した。
そのようなIT環境の中で、山中氏が訴えるのは同社のテストツールを使った“ITの品質管理”。ビジネスプロセスを最適化し、ITの価値を最大限引き出すために必要な手法で、同社では「BTO」(ビジネス・テクノロジ・オプティマイゼーション)と呼んでいる。テストツールやデプロイツール、運用管理ツールなどからなる同社の「Optane」はそのBTOを実現するための製品ファミリ。LoadRunnerもOptaneの一部となっているが、マーキュリーでは製品単品をアピールするのではなく、Optaneが実現するBTOのソリューションを強調する。
さらに、マーキュリーはBTOを強化するツールを追加した。米マーキュリーが5月5日に買収した米Performantの「OptiBench」だ。OptiBenchはJ2EEアプリケーションの性能をコードレベルで迅速に測定し、パフォーマンス向上を可能にするツール。山中氏は、「BTOで提唱しているアプリケーションのライフサイクル全体の“測定”、“管理”という機軸に、新たに“診断”を追加できる」とOptiBenchを説明。「ライフサイクル全体でITシステムを最適化できる」と強調した。
国内でもネットバンクのシステム障害が相次いで起き、システムテストの重要性に対する認識は高まってきている。マーキュリーに追い風が吹いているともいえる中で、ビジネスをどう拡大させるか。山中氏への期待は大きそうだ。
(垣内郁栄)
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マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン
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