C&W IDCが選んだ「トップレベルのアプライアンス」
2004/4/22
ケーブル・アンド・ワイヤレス IDC(C&W IDC)とインターネット セキュリティ システムズ(ISS)は提携し、C&W IDCのデータセンターを利用する顧客に対して不正侵入検知(IDS:Intrusion Detection System)、不正侵入防御(IDP:Intrusion Detection and Prevention)の新サービスを共同で提供すると4月21日に発表した。C&W IDCの法人営業部門長代理 兼 営業企画部長 福井亨氏は「通信キャリアとしてセキュリティ事件から顧客を守るためのインフラを提供する。そのためにはトップレベルのセキュリティ・アプライアンスが必要」と語り、ISSとの提携の意義を強調した。
新サービスは5月10日に提供を開始する。「不正侵入検知サービス」はISSのセキュリティ・アプライアンス「Proventia Aシリーズ」を利用し、ネットワークに侵入する不正アクセス、コンピュータ・ウイルスなどのパケットを監視し、必要な際に管理者に警告する。Proventia Aシリーズは1台で4つのセグメントまで監視可能。最大で1200Mbpsの帯域に対応する。
「不正侵入防御サービス」は、ISSのセキュリティ・アプライアンス「Proventia Gシリーズ」を利用する。Proventia Gシリーズはネットワークを流れる不正なパケットをリアルタイムに防御可能。不正なパケットを発見した場合は、ファイアウォールと連動し、怪しいパケットをブロックする。ネットワークのセグメントに設置することでセグメント内で感染したワームなどを外部に流出させない、などの利用法もある。現在のネットワーク構成を変更せずに導入できるのも特徴。
インターネット セキュリティ システムズ 代表取締役社長 林界宏氏 |
サービスの販売、データセンター運用をC&W IDCが担当し、セキュリティ・アプライアンスの設置や運用、不正侵入のリモート監視をISSが行う。
不正侵入検知サービスは初期費用44万円、月額39万円から。不正侵入防御サービスは初期費用48万円、月額45万円からとなっている。ISSでは「他社の一般的なサービスと比べてかなりリーズナブルでは」としていて、低価格を強調している。
C&W IDCとISSは顧客企業が攻撃を受けた際の対応ルール作りなどでも密接な関係を築くとしている。すでに両社は外資系金融機関のネットワーク構築、セキュリティポリシー設計、セキュリティ機能の提供などで協力している。海外進出する日本企業のネットワーク監視なども協力して行う考えだ。
不正侵入検知サービスと不正侵入防御サービスの違いは、不正なパケットを検知し警告する(防御は行わない)か、それとも検知したうえで防御するか、にある。両サービスの価格差を考えるとパケットを監視し、防御も行う不正侵入防御サービスを利用する顧客企業が多くなるようにも思える。ISS 代表取締役社長 林界宏氏は「企業の業務によってはパケットを止められない場合もある。その際は不正侵入検知サービスを使ってほしい」と説明。「IT部門とユーザー部門の力関係によって、どちらのサービスを利用するかは変わる」と述べた。
(編集局 垣内郁栄)
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