携帯だけではない、ノキアのモバイルセキュリティ技術

2003/7/3

ノキア・インターネット・コミュニケーションズ アジア・パシフフィック地域マーケティング担当ディレクター ジェフ・ラッツラフ氏

 ノキア・ジャパンのノキア・インターネット・コミュニケーションズ事業部は7月2日、SSL VPN装置「ノキア Secure Access System」を7月下旬に発売すると発表した。
 
 「ノキア Secure Access System」は、ノキア独自のOS「IPSO」上に、ソフトウェアを搭載し、アプライアンス化した製品群を指す。ソフトウェアを搭載するプラットフォームはすでに販売されている「ノキア IP セキュリティ シリーズ」で、今回サポートするのは、コネクション数が10〜25の「IP130」、50〜100の「IP350」、最大500までのコネクションが可能な「IP380」の3機種。「ノキア IP セキュリティ シリーズ」の中では、SOHO向けから中規模企業向けの製品に属する。
 
 同社のSSL VPN製品の特徴は、デバイスのアクセス権の自動調整、ユーザー個別のアクセス権の自動調整、セッション情報の確保、日本語対応などが挙げられる。これらの機能は「業界初」(同社)のものであり、社外からのセキュアなアクセスを管理することに重点を置いた技術の結晶であるという。

 ノキア・インターネット・コミュニケーションズ アジア・パシフフィック地域マーケティング担当ディレクター ジェフ・ラッツラフ(Jeff Ratzlaff)氏は、SSL VPNの需要について、IP Sec VPNと比較したうえで、「SSL VPNは、クライアントがWebブラウザを持っていれば問題ないという点で、利便性が非常に高い。また、電子メールの受信や情報の検索という日常の用途が多く、企業の80%はSSL VPNの潜在ユーザーだろう」と見ている。とはいえ、IP Sec VPNが消えることはなく、企業財務担当者、エンジニア、CEOなど最高度にセキュアなアクセス環境が求められるケースとして、残り続けるとラッツラフ氏は予測している。

 同社では今後、エンタープライズ向けセキュリティ・ソリューションの提供に力を入れながら、「携帯電話を中心としたコンシューマ向けブランドを払しょくしていく」(ノキア・ジャパン ノキア・インターネット・コミュニケーションズ カントリージェネラル マネージャ 柳下幹生氏)計画だ。

(編集局 谷古宇浩司)

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