「自社内のユーティリティ化を進めてます」、ベリタスCEO
2004/5/14
「ユーティリティ・コンピューティングは財務的にも大きく貢献している」。米ベリタスソフトウェアの会長兼社長兼CEO ゲイリー・ブルーム(Gary Bloom)氏は@ITなど日本のメディアの取材に答え、自社でのユーティリティ・コンピューティングの運用を例に取り、そのメリットを強調した。ただ、「ベリタス社内のオペレーションは完全にはユーティリティ・コンピューティングに対応していない」として「ユーティリティ化を順次進めて、ITモデルを進化させたい」と述べた。
米ベリタスソフトウェアの会長兼社長兼CEO ゲイリー・ブルーム氏 |
ベリタス社内でユーティリティ化が最も進んでいるのはストレージ分野だ。プライマリサイト、ディザスタ・リカバリ用のストレージはEMC、リモートサイトは日立製作所などヘテロジニアス環境となっているが、ストレージのリソースを仮想化することで使用率を向上させているという。運用管理の効率も上がり、「アベイラビリティ、パフォーマンスの向上もはっきりしている」とブルーム氏は胸を張る。その裏づけはこの3年間でキャッシュを15億ドル増やし、現在27億ドルのキャッシュを持つに至ったことだ。運用管理の自動化を進めた結果、担当するスタッフを管理からビジネス・アプリケーションの新規開発など収益を生み出す部門に移したのが成功要因の1つだ。
ベリタスがユーティリティ・コンピューティングに着目したのは1年半から2年前。自動化や仮想化でリソースの有効活用が可能なストレージに関するベリタスの技術をサーバやアプリケーションなどほかの分野に適用できると考えたことがきっかけだ。ストレージ技術をサーバやアプリケーションに適用するための開発資金を豊富に持っていたことも後押しした。
それ以来、ベリタスは他社の買収も含めてユーティリティ・コンピューティングを実現すための要素を集めてきた。現在はベリタスが当初予想していたユーティリティ・コンピューティングのためのマトリックス(ストレージ、サーバ、アプリケーションに対してそれぞれアベイラビリティ、パフォーマンス、自動化を提供する)はすべて埋まっている状態。ブルーム氏は「次の段階はマトリックスの外側にユーティリティ・コンピューティングを広げていく段階だ」と述べ、さらに製品を拡充する考えを示した。このマトリックスはすべて埋まっているが、ネットワークやセキュリティなどユーティリティ・コンピューティングを実現するうえで重要となる要素を補完するという。技術を追加するためには他社の買収を今後も検討する考えだ。
(編集局 垣内郁栄)
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