ハードの障害を徹底的に押さえ込む、富士通のブレードサーバ

2004/5/21

 富士通は5月20日、ブレード1台当たり2基のインテルXeonプロセッサを搭載できるブレードサーバ「PRIMERGY BX600」を発表した。今後ブレードサーバではさらに4Wayモデルを投入、ペデスタル型のサーバでは64ビットプロセッサのItanium 2の2Wayモデルの投入を明言し、IAサーバのラインアップを強化していくという。

富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX600」は、サーバブレード1台当たりインテルXeonプロセッサを2基搭載できる

 ブレードサーバのBX600は、高さ7Uのシャーシに10枚のサーバブレードを搭載可能。各サーバブレードは活性交換可能で、最大2WayのインテルXeonプロセッサ3.2GHzを搭載。Ultra SCSIインターフェイスやギガビットイーサネットといった高速インターフェイスを標準装備する。ファイバーチャネルやSCSIによる外部インターフェイスをオプション提供し、汎用サーバと同様の拡張性を備える。

 運用支援として、複数のブレードにOSやアプリケーションの一括インストールなどを行う「SystemcastWizard Professional」、リソースを仮想化して運用管理を統合できる「Systemwalker Resource Coordinator」、ストレージ管理の「Softek Storage Cruiser」などのソフトウェアを提供する。こうしたソフトウェアで、「例えば、Webサーバの性能が不足したとき、ブレードを1枚追加するといったことで性能アップが可能」(サーバシステム事業本部 IAシステム事業部 事業部長 増田実夫氏)といった、ブレードサーバの利点を生かすことが容易にできる。

 大規模なクラスタシステムでは、「ハードウェアの安定した品質が非常に大事」(同氏)であり、製品を出荷する以前の時点でハードウェアの故障による障害を徹底的に押さえ込むための努力を続けているという。そのために、エントリレベルを含む同社のすべてのIAサーバに対して、従来の大型サーバやUNIXサーバで用いていたハードウェアの品質試験機「アーム挿入型クリップテスタ」を適用し、高い品質管理を実現していると胸を張る。その試験機は、自動で動くアームによって稼働中のハードウェアの任意の場所をショートさせて疑似的に故障させ、その状況でもクラスタ環境などが安定して稼働できるかどうかといったことをチェックするもの。クリップテスタのチェック個所は3000カ所にも及ぶという。

 同社はIAサーバによるLinuxクラスタシステムとして世界最高性能(1024ノード/2048CPU、総演算性能12.4TFLOPS)を実現した、理化学研究所のシステムを受注した実績を持っている。そうした実績を今後のクラスタシステムの構築や販売に生かしていくという。

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富士通の発表資料

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