IP電話で重要になるプレゼンス情報、アバイアの戦略は

2004/5/26

米アバイアのストラテジー&テクノロジー シニア・バイス・プレジデント カリン・マシマ氏

 米アバイアのストラテジー&テクノロジー シニア・バイス・プレジデント カリン・マシマ(Karyn Mashima)氏は5月25日、企業内のコミュニケーションについて「今後はプレゼンスが重要になる。音声、映像を統合し、さまざまなモードでユーザーが相互に接続できるようにする必要がある」と述べ、社員の在席情報を効果的に管理することが企業の生産性の向上につながるとの考えを示した。

 マシマ氏が説明したプレゼンスとは、PC上でほかのスタッフの状態を確認し、その時々に合った最適な方法で連絡を取れるようにすることを指す。連絡を取りたいスタッフが在席しているならIP電話で連絡、スタッフが別の電話をかけているならインスタント・メッセージ、外出しているなら自動で携帯電話に電子メールを送信するなど、さまざまなコミュニケーションツールをシームレスに使うことが想定されている。マシマ氏はプレゼンス情報の活用について、「企業内、パートナー間を含めた全体的な管理が重要」と述べ、コミュニケーションを管理する統合的なツールが重要になると指摘した。

 日本アバイア 代表取締役社長 鵜野正康氏によると、世界のIP電話市場でアバイア製品は、シスコシステムズなど競合を抑えてシェア1位を獲得している。アバイアがIP電話市場に進出したのは約2年前だが、スケールメリットを生かした製品開発や、Linuxを採用したサーバのアーキテクチャなどが評価されているという。

 世界で高いシェアを誇るアバイアだが、国内では国産ベンダ、大手ベンダに押されて存在感は薄い。鵜野氏はその理由を「これまではコールセンターのビジネスに注力してきたから、ビジネスの体制がまだコンタクトセンターのままになっている」と説明した。今後はIP電話に合わせて社内体制を整えるとともにパートナー企業との関係を強化し、「エンタープライズ向けの企業であることを伝えていく」という。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本アバイア

[関連記事]
課題は運用面、ENUM推進団体が中間報告 (@ITNews)
テレビ電話の企業利用は広がるか、シスコが本腰 (@ITNews)
IPv6+SIPで実現するMachine to Machine通信、NTTコム (@ITNews)
沖電気とMS、VoIPコミュニケーションの壁を破る (@ITNews)
地方でコンタクトセンター開設が相次ぐ理由は? (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)