教育コース新設で加速するか、ストレージ管理標準「SMI-S」

2004/6/11

 SNIA(ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション)日本支部 会長の和田健一氏は、SNIAが策定したストレージ管理の標準技術「SMI-S」について、「2005年にはSNIAの参加企業すべてがSMI-Sに対応した製品を出荷することを目指す」と述べ、SMI-S採用への取り組みを加速させる考えを示した。日本支部でもSMI-Sに関する教育コースを設置することを検討するとしていて、SMI-Sが受け入れられる環境作りを進める。

SNIA 日本支部 会長の和田健一氏

 和田氏は6月10日にIDGジャパンが主催した「STORAGE NETWORKING WORLD/Tokyo 2004 Spring」で基調講演した。SMI-SとはSNIAが現在、普及に最も注力している技術。マルチベンダ環境でのストレージ、管理アプリケーションに共通のインターフェイスを提供し、相互に運用管理できるようにすることを目指している。標準技術のCIM、WBEMを採用し、ヘテロジニアス環境でも統合的にストレージを管理できるようにする。和田氏はエンドユーザー側のSMI-Sのメリットとして、「さまざまなベンダの製品を採用できること」「運用管理コストの低減」などを説明。ストレージベンダや運用管理ツールのベンダのメリットとして、「開発の短期化、合理化」「市場の拡大」などがあると説明した。

 SMI-Sは2003年にバージョン1が公開された。現在は各ベンダがSMI-Sを組み込んだ場合のテストを行っている状態。テストでは14社108の製品がすでに合格している。

 SMI-Sを普及させるにはエンジニアの教育も重要だ。SNIAでは米国のSNIAテクノロジラボでエンジニア向けの教育コースを開設している。コースは「CIM&WBEM(SMI基礎)」「SMIデベロッパー」「上級SMIデベロッパー」の3種で、日本でのコース開設も検討しているという。

(編集局 垣内郁栄)

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