いったい日本のインターネット人口は何人なのか?

2004/6/30

インプレス 代表取締役社長 塚本慶一郎氏

 インプレスがまとめた「インターネット白書 2004」によると、日本のインターネット人口は6284万4000人(2004年2月時点)となった。2003年2月の調査と比較して639万人増(前年比11.3%増)で、同社によると「新規インターネット利用者の伸びは鈍化しているが、2004年12月末には6700万人に達する」見込みである。また、ブロードバンド利用地域の拡大により、家庭からのブロードバンド利用者は2004年2月の調査時点で2214万5000人となり、ナローバンド利用者の2123万7000人を初めて上回った。「家庭からのブロードバンド利用者が過半数を超えたことでネットビジネスは本格化する。2004年はブロードバンドビジネス元年になる」と同社 インターネット生活研究所 副所長 中島由弘氏は宣言した。

 インターネット世帯浸透率(利用場所、接続機器を問わずインターネット利用者がいる世帯の比率)は78.1%であり、昨年の73.0%から5.1ポイント増加している。また、インターネット世帯普及率(「勤務先/学校のみ」「携帯電話/PHSのみ」)を除き、自宅の機器でのインターネット利用者がいる世帯の比率)は今回初めて50%を超え、52.1%となった。

 同白書では、パソコンの利用者動向調査としてWebアンケートも実施している。「ADSL接続業者およびISP事業者のシェア」では、Yahoo! BBがいずれもトップシェアとなった。昨年はADSL接続業者としてNTT東西が1位、ISPとしては@niftyが1位だった。常時接続環境の普及で拡大したサービスに「コミュニティ/コミュニケーションサービス」が挙げられる。利用率は昨年47.0%だったが、今年は58.4%となった。雑誌などをみるとBlogが注目を浴びており、個人ホームページの開設者拡大に寄与すると予測されたが、実際にはホームページ開設者は全体の15.7%にとどまった。常時接続層の拡大による弊害も顕著に表れており、ウイルス被害は昨年の24.9%から48.2%に急増、個人情報漏えいの被害経験についても24.9%で、およそ4人に1人が漏えいの被害にあったと回答している。企業のセキュリティ被害も69.2%と非常に高い比率となった。

 インプレスの「インターネット白書」が発表されるたびに指摘されるのが、総務省が発行する情報通信白書との数字の違いである。「情報通信白書平成15年版」では平成14年度(2002年)末時点のインターネット利用人口は6942万人であり、平成19年(2007年)末のインターネット利用人口の将来推計についてはブロードバンド利用者が全体の70%を超える、としたうえで8892万人としている。問題となってくるのは、ブロードバンドの定義や何歳までの子供を統計対象に組み込むか、といった点である。だが、このような点が共通化されたとしても「調査手法上の問題」(アクセスメディア インターナショナル)からデータの整合性が得られるとは限らないようだ。

 ちなみに、インターネット白書では、調査対象を16歳以上と設定しており、10代およびそれ以下の年齢層は正式な調査対象とはなっていない。また、ブロードバンドの定義は「xDSL以上の高速回線と第三世代携帯電話によるインターネットアクセス」(同)である。一方、情報通信白書では6歳以上を対象とし、ブロードバンドは光ファイバ、xDSL、ケーブルインターネット、無線(FWAなど)を指す。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
インプレス
総務省 情報通信統計データベース

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