ユビキタスアプリ開発のための8つの技術基盤を共通化、NEC

2004/7/28

NEC システムソフトウェア事業本部 事業本部長 岡田高行氏

 ユビキタス社会とは一般的には“どこでも情報を発信・受信できる社会”を指す。東京大学大学院教授の坂村健氏によれば“どこでもコンピュータ”という環境だ。NECはこれまで、ユビキタス社会の到来を見越し、ユビキタスアプリケーションを構築するための技術基盤をそれぞれ別個に開発していたが、今回、アプリケーションの共通機能を統合し、「ユビキタスアプリケーション基盤」として体系化した。

 同社が考えるユビキタスアプリケーションの基本機能は、「RFID基盤」「双方向コミュニケーション基盤」「モバイルサービス基盤」「認証基盤」「セキュリティ基盤」「端末適応基盤」「位置情報基盤」「プレゼンス基盤」の8つ。
 
 この8つのアプリケーション基盤の上に、例えば、電子チケットや電子クーポン発行システム、顧客の位置情報確認システムといったさまざまなシステムを構築する。なお、ここでいう基盤とは、アプリケーションソフトウェアを構築するときに必ず使用する共通技術である。同社 システムソフトウェア事業本部 事業本部長 岡田高行氏によると、「これら8領域の基本機能を組み合わせることで、ユビキタス関連のアプリケーションを個別に開発するのに比べて、開発期間を3分の1に短縮することが可能となる」という。

 会見では、デパートの来店者に対し、売り場ごとに有用な情報やクーポン券を提供するサービスのデモンストレーションを行った。このようなシステムを構築する場合に必要な「ユビキタスアプリケーション基盤」は、「RFID基盤」「位置情報基盤」「プレゼンス基盤」「モバイルサービス基盤」の4つ。これらの技術基盤を連携させ、システム構築を行う。同社では、このように、アプリケーションの基盤を共通化することで、従来、0からスクラッチで行っていたアプリケーション開発作業の効率化を目指す。

(編集局 谷古宇浩司)

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