独自のフレームワークをオープンソース化、テンアートニ
2004/8/18
執行役員 第一事業部 プロダクト開発グループ グループマネージャー 長尾寿宏氏 |
テンアートニは、同社独自開発のWebアプリケーションフレームワーク「TenArtni Ninja-VA(以下Ninja-VA)」のオープンソース化に踏み切る。海外版は9月中旬、日本語版は9月後半のリリース予定。GPLをベースとした同社独自のライセンス「TenArtni
Public Licence(TPL)」(仮)を基に配布する計画で、TPLは2次頒布に関して、ソースコードの公開を義務付けないようにするのが特徴となっている。これにより、第3者がNinja-VAを利用して独自に開発したプログラムのソースコードを公開する必要がなくなる。
同社は製品の有償ライセンス収入に依存するビジネスモデルから、コンサルティングおよびサポートといったより付加価値の高いビジネスモデルへの転換を図っており、フレームワークのオープンソース化はそのための端緒となる。
Ninja-VAは、2001年に同社がリリースしたWebアプリケーションフレームワーク「Web WorkBench DeveloperCafe」に機能追加をほどこした製品。コアエンジンはそのまま継承しながら、クライアントの環境に左右されない開発を可能とする「Adaptive Component」とクライアントビルダーツール「Ninja-VA Studio」を追加した。
Adaptive Componentとは、同じ利用目的で異なるアーキテクチャに適用可能なコンポーネント群である。Ninja-VAでは、ユーザーインターフェイスやデータベースアクセスのアーキテクチャが異なっていたとしても共通で適用できるアダプタを用意する予定であり、これらのアダプタにNinja-VA Studioで作成した設計情報(Adaptor Description:XML形式で保存される)を読み込ませることで、各アーキテクチャに対応したアプリケーションの開発を行うことができる。現段階で計画している対応クライアントは、Webブラウザ(JSP)、リッチクライアント(Swing、.NET)、モバイルフォン/PDA、Adobe Acrobat。Webアプリケーション用アダプタ(HTML/Strutsインターフェイス)は9月後半、リッチクライアント用アダプタ(Swing/SOAPインターフェイス)は年内を目処に現在開発を行っている。モバイル用アダプタ(XSL/XSLTインターフェイス)は、国内よりも海外での引き合いが多く、海外のパートナー企業に開発を依頼する予定。
インターフェイスをデザインするためのNinja-VA Studioは、マイクロソフトのVisual Basicライクな操作環境である。アプリケーションのコードの大半をデザイン内容に合わせて自動生成することができるようになっている。その内容はプレーンなJavaクラスであり、EclipseをはじめとしたほかのJavaIDEで編集することも可能である。同社としては、Java開発の間口を広げる意味での開発の容易性(EoD=Ease of Development)をNinja-VA Studioに託している。なお、Ninja-VA Studioはオープンソース化の対象ではない。
執行役員 第一事業部 プロダクト開発グループ グループマネージャー 長尾寿宏氏は「(Ninja-VAの)アーキテクチャ自体はとてもユニークなものだが、だからこそ、オープンソース化し、国内外を問わず幅広く活用してもらいたい」と話す。また、将来的には「Ninja-VAの開発者コミュニティを立ち上げ、アダプタの開発やバグフィックスが行える環境を整えていきたい」とする。
(編集局 谷古宇浩司)
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