マネジメントの名のもとに、CA
2004/10/14
米コンピュータ・アソシエイツ 製品開発担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデント マーク J.バレンシエ氏 |
コンピュータ・アソシエイツにとって「Management」(マネジメント)という言葉がこれほど重要な時はないようだ。5月に米国で開催した「caworld 2004 Las Vegas」から同社は「マネジメント・カンパニー」を大々的に標榜(ひょうぼう)し、新たな企業イメージの確立に努めている。経営陣のほとんどが退陣を余儀なくされるハプニングに見舞われ、また、あまりにも膨大(ぼうだい)な製品群のために企業としての特色が見えなくなっていたという状況を考えると、いまこそが同社にとってすべての状況をひっくり返す絶好の機会ともいえる。
早急に対処しなければならないのは、確固としたビジョンを示すことだ。今回来日した米コンピュータ・アソシエイツ 製品開発担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデント マーク J.バレンシエ(Mark J.Barrenechea)氏は、乱立気味といえる同社の製品群を「Enterprise Infrastructure Management(EIM)」という概念で統一、ブランド名を全面に押し出す従来の製品戦略を転換し、ビジネス上の問題点に自社製品を当てはめながら顧客に提案していくことが可能な製品ラインアップの再構築を行っている。
つまり、同社の製品は「ITシステムの運用・管理」というシンプルな入り口から入り、その分野においてはあらゆるニーズに対応できるというイメージを企業の特徴としてアピールしていくということになる。そのため、同社が有する統合システム運用管理の「Unicenter」やストレージ管理の「BrightStor」、セキュリティ管理の「eTrust」といった各ブランドに属する製品群はブランドの枠組みを解かれ、再編成されることになった。同社ではこれを「モジュラー型統合ソリューション」と表現し、CAだけにできる統一的な製品提供の可能性をアピールしている。
もちろん、製品同士の統合を推進する作業自体は過去2年間にわたって行われたきたことで、いまになって開始したことではないとバレンシエ氏はいう。大規模な買収を行ってはいないのもそのためだ。しかし、買収にまったく手を染めていないわけではなく、直近では企業向けのアイデンティティ/アクセス管理(IAM)製品を持つ米Netegrityを4億3000万ドルで買収し、8月にはスパイウェア対策ソリューションを提供する米PestPatrol社を買っている。
買収は同社の長期的な成長戦略に組み込まれた重要な事業であり、これを完全に放棄するわけにはいかない。特に、運用・管理ソフトウェアの分野では、買収による製品ラインアップおよび規模の拡大が1つの傾向となっている。例えば、OpenViewを有する米ヒューレット・パッカードは構成管理ソフトウェアの「Novagigm」やアクセス制御・シングルサインオン(SSO)製品を持つ「Baltimore」、ユーザー・プロビジョニング製品を開発した「Trulogica」をそれぞれ買収し、OpenView製品のラインアップに組み込んでいる。
技術的な状況をみても、運用・管理分野は“陽のあたる場所”で、10月8日(米国時間)、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、インテル、AMD、デルの5社がWebサービスを利用してITシステムを管理するための仕様「Web Services Management」(WS-Management)を発表している。
「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」に対しても同社は積極的な姿勢をとっており、バレンシエ氏は「きわめて重要だ」と断言する。「例えば、ITILにおけるCMDB(Configuration Management Database)は、CAの技術概念ではMDB(Management Database)を指す。いまのところ、独立系ベンダでCMDBの概念を取り込んでいるのはCAしかない」と胸を張る。これは1つのデータベースであらゆる資産を管理するデータベースの概念であり、「caworld 2003」で発表された「ソナー」技術のことである。
(編集局 谷古宇浩司)
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