Express5800シリーズ一新、水冷式静音サーバなどを追加

2004/10/19

NEC 執行役員兼第二コンピュータ事業本部長 大武章人氏

 NECは10月18日、IAサーバ「Express5800シリーズ」のラインアップを一新したと発表した。対象は同シリーズの57モデルで、静音化、低消費電力、ウイルス対策、防塵対策など、サーバのユーザビリティ(有用性)を向上させる機能改善を施した。同社 執行役員兼第二コンピュータ事業本部長 大武章人氏によると、NECのIAサーバExpressシリーズは1994年11月24日の発表から今年で10周年を迎えたという。出荷台数対前年比20%の成長率を維持しながら、3年後には年間総出荷台数20万台を目指す。

 新ラインアップにおいて、今回新たに商品化にこぎつけたモデルに、水冷方式を採用することで30dB以下の静音を実現した水冷式静音サーバ「Express5800/110ca」がある。30dB以下とは人間のささやき声程度の音。「Express5800」(1Wayタワーモデル)をベースに小型水冷式CPU冷却ユニットを搭載した。筐体(きょうたい)内部で冷却液を常に循環させることで、CPUが発する熱を冷却ジャケットで吸収し、本体背面のヒートシンクを持つラジエータへ移動、サーバ用電源ファンの風によって熱を外部へ排出するという仕組みである。

 サーバ、特にIAサーバは筐体そのものが年々小型化傾向をたどり、それにともなってオフィスの中や業務机の近くに設置されるケースが増えてきた。このような利用環境の変化にもかかわらず、CPUの高周波数化による発熱量は増加傾向にある。NECの調査によると、「Pentium4 2.4GHz」と「Xeon 3.4GHz×2(マルチCPU)」を比較した場合、発熱量は約3.7倍に増えている。

水冷のメカニズム(クリックすると拡大)

 ハードディスクドライブの発熱量もディスク装置の回転数の増加にともなって増えている。発熱量の増加を抑える措置として冷却ファンの増設または(冷却ファンの)高回転化が考えられるが、結果的に、サーバが発する音はさらに高まるという悪循環を生み出してしまう。これらの悪循環を断ち切るために、同社では水冷方式を採用した。もちろん、サーバの冷却方式には水冷以外にも選択肢があるのは確かだが、「現時点では水冷方式こそがサーバの静音化を実現するための現実的な解答」だと大武氏はいう。

 そのほかの新製品として、「Pentium M プロセッサ」を採用し、ノートPC並の25ワットの消費電力を実現した低消費電力ブレードサーバ「Express5800/BladeServer」や「Xeon 3.60GHz」を搭載した2Wayモデルの「Express5800/100シリーズ」も新たにラインアップに加えた。なお、今回の新製品から全機種に新フロントベゼルを採用し、デザイン面でも一新を果たした。

(編集局 谷古宇浩司)

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NECの発表資料

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