「MPLSはわれわれが導いてきた」、ジュニパー
2004/11/3
米ジュニパーネットワークスのディスティングイッシュド・エンジニア キリーティ・コンペラ(Kireeti Kompella)氏にMPLS(Multi Protocol Label Switching)への取り組みと今後の可能性について聞いた。
米ジュニパーネットワークスのディスティングイッシュド・エンジニア キリーティ・コンペラ氏 |
コンペラ氏は、MPLS技術の市場への浸透度について、「キャリアのネットワークのコアやエッジのアーキテクチャがほとんどMPLSに対応してきている。また、新規に構築されるネットワークの大半はMPLSである」と説明した。
コンペラ氏の指摘どおり、ネットワーク機器ベンダが発表する新製品は、ほとんどがMPLSに対応している。また、多くの新製品はMPLSの技術革新によって既存のネットワークを統合し、マルチ・サービスが提供できるエッジを提供するとアピールしている。
コンペラ氏は、「ジュニパーネットワークスはいつも市場に先駆けて、MPLSに対応した製品を発売してきた」と話した。その理由として、ジュニパーネットワークスが標準化団体のIETFに参加し、MPLSの標準化と実装のための研究開発に深く関与してきたことを強調した。
「ジュニパーネットワークスは、MPLS上でレイヤ2VPN機能を実現する『kompella』という仕様が標準化される2年前から、同じアイディアを持った製品を発表してきた」とコンペラ氏はいう。「競合他社がジュニパーの技術に追随した製品を発表したころ、私たちの製品はすでに、同じ機能の冗長化や信頼性の向上が済んでいた」と語り、自社の技術力の高さをアピールした。
MPLSの可能性についてコンペラ氏は「今は企業レベルで利用されることが多くなったルーティング技術の『BGP』も、10年前は企業で利用されるようになるとは予想できなかった。MPLSも同じことが起きると考えている。すでにアメリカの企業では、社内のネットワークをMPLSを利用して設計・構築・運用しているケースがある」と語った。
さらにコンペラ氏は、国内で通信キャリアが実験している光ネットワーク上のルーティング技術「GMPLS」の研究開発にも取り組んでいると述べた。「GMPLSでは、現在別々に管理しなくてはならない伝送レイヤとIPレイヤをダイナミックに統合管理できることになるだろう。GMPLSとMPLSと組み合わせて利用することによって、自己運用や自己設定が可能なネットワークが構築でき、新しいサービスの提供が可能になる」とコンペラ氏は述べ、新たな課題に取り組む姿をみせた。
(編集局 富嶋典子)
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