3Gケータイのデータ通信で高品位映像伝送、NEC
2004/11/26
NEC 執行役員 粉川英夫氏 |
NECは11月25日、第3世代携帯電話のデータ通信を利用した映像伝送システム「MobileStream」をリリースした。映像符号化(圧縮)方式は「H.264」を利用、第3世代携帯電話のデータ通信カード4枚を利用してデータ通信を行う「バルク転送方式」を採用し、中継車を介さず、高品位の映像を配信可能とした。映像解像度は352×288。これはおよそ10万画素相当の画質である。フレームレートは最大15fpsとなっている。
NECが表現する“第3世代携帯電話”は現時点ではNTT DoCoMoのFOMAを指している。もちろん、他社製第3世代携帯電話のデータ通信を利用することも理論上不可能ではないが、同社によると、FOMA以外ではまだ実証実験などの検証作業を行っていないという。
社外の様子を中継でレポートした |
FOMAの映像圧縮方式はMPEG4であり、通常は通信カード1枚でデータの送受信を行う。デモンストレーションでは、両者の映像品質の違いを示したが、確かにその映像品質はMPEG4、通信カード1枚の伝送システムと比較して段違いにきれいであった。
本体質量は約4Kg。FOMAをはじめとする第3世代携帯電話のサービスエリア内であればあらゆる場所からデータ通信が可能である。そのため、肩にかけて持ち運ぶことができ、中継車が入れない場所や緊急の場合での撮影に適している。同社 執行役員 粉川英夫氏は、「例えば、各地の天気や季節の様子の中継レポートや地域に密着した情報の中継レポート、イベントの生中継、災害時の監視など小回りのきく撮影需要に適している」と話す。
会見が行われたのはNEC本社内だが、社外で待機する同社のスタッフが正面玄関付近の紅葉の様子を報告する中継レポートのデモンストレーションを行い、その具体的な使用感をアピールした。
MobileStreamは「モバイル高品位映像伝送装置」と「バンドリングルータ」「H.264ソフトウェアビューア」で構成されている。同社では今後3年間で500システム(735万円から)の販売を見込んでいる。
(編集局 谷古宇浩司)
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