[Interview] 単なるレポーティングを機能追加でCPMへ、コグノス
2004/11/27
企業内にある膨大な情報の有効活用することの重要性が語られるようになって久しい。今日、BI(ビジネスインテリジェンス)はどのように進化しようとしているのか? 来日したカナダ・コグノスのビジネスパートナーデベロップメントの総責任者 ベン・プラマー氏(Ben Plummer)にBI市場の広がりと同社の製品戦略を聞いた。
――コグノスの事業戦略を教えてください。
カナダ・コグノスのパートナーデベロップメント担当副社長 ベン・プラマー氏 |
プラマー氏 コグノスの目標は、BIソリューションの提供を通じて、CPM(企業パフォーマンス管理)の世界でリーダーとなることです。
CPMの意味とは、企業活動におけるプランニング、モニタリングとBIの環境をフルにインテグレートしたものを提供することによって、これまでポイントソリューションだったものがすべて統合され、1つの共通のプロセス環境を構築できるようにすることです。
――それを実現するために、どのような製品がありますか?
プラマー氏 レポート&情報検索ツールの「ReportNet」のプロダクトラインはエキサイティングな商品になっています。これら新製品によって、コグノスという会社がリセットされました。レポーティングによって何ができるのか、何をしたいのか、そういった面の考え方がすべてリセットされたのです。
今回の製品では“アーキテクチャ”や“標準プラットフォーム”に対する考えが一新されています。もともと、BIツールはPCベースからクライアント/サーバベースへの進化してきましたが、現在のところ、スケーラビリティや統合性という点で問題にぶつかっており、XML、LDAP、セキュリティ・インターフェイス、コネクティビティインターフェイスといった新しい標準に対しての対応が求められています。
弊社では、5年ほど前にWebコンピューティングに対応するものに製品を書き換えてしまいました。いわゆるSOA(サービスオリエンテッドアーキテクチャ)の考え方です。
このアーキテクチャをベースに、ユーザーオリエンテッドなレポーティング機能を付け加えていくことができるようになりました。将来的にはプラットフォームを進化させ、例えばOLAPやビジュアライゼーション、スコアカードといったものも共通なサービスオリエンテッド環境のなかで使っていくことができます。それがわれわれの描いている将来像です。
――そうした製品群がどのようにCPMを実現するのでしょうか?
プラマー氏 オープンなインターフェイス、APIを作るというのは、意味するものはいろいろありますが、1つはアーキテクチャが土台(ファウンデーション)になるので、これを使っていろいろな企業でBIと情報インフラ戦略を確立していけるようになります。これを進めていくとシンプルなレポーティングを超えたもの、ひいては完璧なCPMというものが達成できるのです。
また、それを利用している企業は共通の土台の上に、他社の技術を付け加えていくことができます。このように特別な機能を付け加えていくことができるので、BIを戦術的・部門的なソリューションから、いわゆる真のエンタープライズのソリューションへと発展させることができるのです。
――CPMやBPMのマーケットにはEAI、ワークフロー、ERPなどの別分野のベンダが参入してきています。
プラマー氏 そこに参入しようとしているということは、この市場が大きく成長するということが分かっているからでしょう。例えばSAPのBWならばデータステージングをベースに市場参入を図っているわけですが、われわれは情報のデリバリという観点から入っているという違いがあります。
コグノスはBIの市場のなかで、圧倒的なリーダーであると認識されています。そのなかではSAP BWなどとパートナー関係を作っていこうという考えがあります。BWのデータステージングの技術とコグノスのインフォメーションデリバリの技術、これを合わせて優れたソリューションが提供できるのです。従ってパートナーでもあり、かつ競合でもあります。
――CPM市場の可能性はどのようなものですか?
プラマー氏 わたしは世界中の大企業のお客様を訪ねていますが、そこで実際にCPM市場というものが現実にある、CPM市場が存在しているのだというということを感じています。
お客様のアプローチとしてはもちろん、企業内のさまざまなシステムをインテグレートしていきたいという実際的な観点から見ていると思います。そうした点をソリューションとして提供していきたいと思っています。
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