WS-Reliability実装ソフト、富士通など3社が公開

2004/11/27

 富士通、日立製作所、NECの3社は11月26日、Webサービスの高信頼メッセージング仕様「WS-Reliability」を実装したソフトウェア「Reliable Messaging for Grid Services」(RM4GS)を開発し、オープンソースソフトウェアとして情報処理推進機構(IPA)のWebサイトで公開したと発表した。開発に参加した富士通のソフトウエア事業本部 開発企画統括部 第一計画部 担当部長 成田雅彦氏は「3社が共同開発し、オープンソースとして発表するのは初めてだろう。Webサービスの市場を広げることにつながれば」と期待している。

 WS-Reliabilityは3社と日本オラクルなど6社が「OASIS ebXML Message Service」をベースに作成した仕様を公開。OASISで標準化作業が進められ、2004年11月15日に標準仕様として正式採用された。WS-ReliabilityはWebサービス通信の信頼性を高める技術。成田氏はWS-Reliabilityの機能として、送達保証、重複削除、順序保証があると説明した。

 3社はRM4GSの開発でWS-Reliabilityが普及することを狙っている。RM4GSの開発は経済産業省が2003年7月に始めた「ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト」の一環で行われた。必要なときに必要なコンピューティングリソースをサーバやネットワークに割り当てられるようにするビジネスグリッドで「高い業務継続性を実現するには、ビジネスグリッドのミドルウェア自体に耐障害性が必要」(成田氏)との考えから開発が進められた。グリッドコンピューティングの研究ではグリッドのノード間の通信にWebサービスを活用する考えが広がっている。

 IPAのWebサイトで公開されたのはRM4GS正式版のソースコードと解説ドキュメント、説明書、APIドキュメント。3社ではOASISの標準仕様となった実績を示して、Web Services Interoperability Organization(WS-I)やGlobal Grid Forum(GGF)などほかの標準化団体にも採用を働きかけていくとしている。

(編集局 垣内郁栄)

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富士通の発表資料
日立製作所
NEC
ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト

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