SCOのCEO来日、2005年度の戦略を語る

2004/12/14

米SCOの社長兼CEO ダール C. マクブライド氏

 米SCOの社長兼CEO ダール C. マクブライド(Darl C. McBride)氏が来日し、日本のビジネスパートナーに向けて2005年度の事業戦略を発表した。Linuxには違法なソースコードが含まれていると主張する同社の立場は、「Groklaw.net」で公表された文書によって危ういものになりつつある。UNIXのソースコードの大部分を再配布する権利を開発者に認めたという10年前の訴訟における和解の内容が公表されたのだ。マクブライド氏はこの件およびIBMとの訴訟の行方について公式のコメントは控えたが、「SCOはAT&TからUNIXの財産を相続した」とし、UNIXの知的所有権を同社が握っていることをあらためて強調した。

 UNIXの知的所有権問題は確かに同社の死活を決める重要な要素である。しかし、訴訟だけでは企業の事業戦略にはならない。2005年以降、同社が注力する技術として、コマンドラインベースのレガシーアプリケーション(主にUNIX)を、GUIを活用したプラットフォーム(Visual Basic、Delphi、JSP、PHPなど)にパブリッシュする技術がある。Webサービスを利用するこの技術はUNIXベースのアプリケーションとWindowsベースのアプリケーション、データベースとを統合することも可能となる。

 この「SCOx Web Services Substrate(SCOx WSS)」という技術はすでに米国で発表されている。レガシーアプリケーションをWebブラウザからアクセス可能にするこの技術にマクブライド氏は自信をみせる。同社の「OpenServer」の次世代版に搭載する予定。なお、OpenServerの次のメジャーバージョンアップ版はMySQLとPstgreSQLに対応する予定。さらに、2006年を目処に、同社の主力製品であるOpenServerと「Unix ware」を統合する計画(Project“Diamond”)も進行中である。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
日本SCO

[関連記事]
米SCO社長がIBM訴訟を激白、「死ぬまで戦い抜く」 (@IT News)
[ガートナー特別寄稿] 第2、第3のSCO訴訟は起こり得る (@IT News)
[Spencer F. Katt] Linux信奉者たちが怒ったSCOの提訴 (@IT News)
[Spencer F. Katt] 今度はSCOとLinuxユーザー企業のバトル? (@IT News)
[Spencer F. Katt] SCO版ワールド・イズ・ノット・イナフ (@IT News)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)