ソフトウェア・テストに影響を及ぼす5つのトレンド

2005/1/25

Rex Black Consulting Services 社長 レックス・ブラック氏

 ソフトウェアテストシンポジウム2005(主催:ソフトウェアテスト技術者交流会/JaSST実行委員会)が1月24日、25日の2日間に渡って開催されている。テストや品質管理に関する技術の情報交流を目的とする。同シンポジウムが発信する情報の多くは現場で得られた経験に基づく具体的なノウハウである。自身が携わるソフトウェア開発プロジェクトの問題解決を模索するエンジニアや開発プロセスの改善を目指すプロジェクト・マネージャなど、ソフトウェア開発に関係するさまざまな人々が今年も数多く集まった。昨年はのべ800人が来場した。今回は2日間でのべ900人が来場する予定。

 ソフトウェアテストシンポジウム2005の基調を示す講演を行ったのは、米国でテスト・マネジメントに関するさまざまな実績を持つレックス・ブラック(Rex Black)氏だった。ブラック氏の講演はソフトウェア開発を取り巻く5つのトレンドを指摘し、テストという作業の重要性を改めて浮き彫りにするものだった。

 ブラック氏が挙げる「Five Trend Affecting Testing」は、「Globalization」「Automation」「Commoditization」「Compliance,Regulation,Tort Law」「Education and Certification」の5つ。

 これらの5つの要素は必ずしもテスト工程(ひいてはテスト・マネジメント)だけに影響を及ぼすものではない。だが、日本のソフトウェア開発企業にとっては、中国やインドといったオフショア地域の躍進という目前に迫った重要な問題があり、ブラック氏が指摘するこれらの5つの要素はまさに日本のソフトウェア企業に対し、低コスト、高品質の実現を迫るものであるともいえる。そして、ソフトウェアの品質管理に直接の影響を及ぼすテストの重要性はいまさら指摘するまでもないだろう。結局、ブラック氏の指摘は、日本のソフトウェア開発企業にとって、テストの重要性を直截的に浮き彫りにする結果となった。

 ソフトウェアの品質管理に関する話題は、すでに20〜30年の年季を経ており、「いまさら何を議論する必要があるのか」と揶揄(やゆ)する人々がいないわけではない。しかし、ソフトウェアテストシンポジウム2005で行われている議論の緻密(ちみつ)さ、参加者の熱意を見る限り、「ソフトウェアの品質管理に関してはもう何も話すことはない」とは到底思えない。

(@IT 谷古宇浩司)

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JaSST

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