大阪から関東、北海道へ、ICタグ付き家電が流通する

2005/2/8

 財団法人 家電製品協会とみずほ情報総研は、UHF帯の無線ICタグを貼付した家電製品を物流の現場で流通させる実証実験を2月7日に始めた。家電メーカーから物流事業者、家電量販店までのサプライチェーンに無線ICタグを導入し、入出検品の効率化や商品の流通履歴管理などについて検証する。

 実証実験は大阪で商品を出荷し、関東や北海道で荷受する流通経路を使う。テレビや冷蔵庫、デジタルカメラ、アイロン、ドライヤー、電話機の梱包にUHF帯のICタグを取り付けて、工場倉庫から家電量販店までを流通させる。家電業界の物流EDI標準「JTRN」に準拠した入荷予定情報と実際の商品とが合致しているかをICタグで自動的にチェックさせる。ICタグを貼付する物流ラベルはISO 15394、ISO 22742など国際標準の輸送ラベル、バーコードに準拠する。

 また、EDIに情報共有データベースを構築し、ICタグを使った商品の流通経路履歴管理も検証する。ICタグを取り付けることで、商品がどこにあるかを製造番号による個品単位でリアルタイムに把握できるようになり、流通在庫のロケーション管理が可能になるという。実証実験は流通に関する世界的な業界団体「EPCグローバル」の仕様に準拠したUHF帯のICタグを使用。ICタグ内にメーカー、製品コード、製品番号などの情報を保存し、ネットワーク経由で情報共有データベースから情報を読み出す実験も行う。

 実証実験に参加するのは家電メーカーは三洋電機、東芝、物流事業者は三洋電機ロジスティックス、東芝物流、松下ロジスティックス、システムベンダは日立製作所、ICタグベンダは東レインターナショナル、家電量販店はギガスケーズデンキ、デンコードー。実証実験は2月25日までの予定。

 家電製品協会は2002年度に2.45GHz帯のICタグ、2003年度にUHF帯ICタグを使った実証実験を行った。今回の実証実験は「ほぼ現実のサプライチェーンで行う。課題を含めて実用化を探る」(みずほ情報総研)と意気込んでいる。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
財団法人 家電製品協会
みずほ情報総研の発表資料

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