「BusinessObjects XI」は“1500億円の結晶”

2005/3/12

 ビジネスオブジェクツは3月11日、ビジネスインテリジェンス(BI)統合スイート「BusinessObjects XI(エックスアイ)」日本語版の販売を4月1日より開始すると発表した。また、中堅企業向けレポーティングソリューション「Crystal Reports Server XI」日本語版も4月1日より販売する。

ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長 徳末哲一氏

 ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長 徳末哲一氏は、BusinessObjects XIを「当社が2003年12月に1500億円で買収したクリスタルディシジョンズとの統合を果した、1500億円の投資が形となった結晶だ」と表現した。同氏が表現したとおり、BusinessObjects XIの最大の特徴は、クリスタルディシジョンズのレポート製品「Crystal」シリーズとの完全な統合を実現し、BusinessObjects XIプラットフォーム上での動作を実現した点だ。徳末氏は「多くの合併企業が統合製品の出荷を延期している中、買収後約1年で製品を出荷したのは驚異的だ」と語り、自信を見せた。

 ビジネスオブジェクツはCrystal製品導入後の新しいビジネス戦略として、売上500億円以上のいわゆる大企業向けには、BusinessObjects XIにコンサルティングサービスを加えて提供し、500億円以下の中堅企業にはCrystal Reports Server XIをメインに販売していく。Crystal Reports Server XIは中堅企業を対象としているため「コスト面が重要」(徳末氏)と見究め、5CALを含む1パッケージで105万円という戦略的な価格で勝負していくという。

 BusinessObjects XIスイートは、パフォーマンスマネジメントツール「Performance Manager XI」「Dashboard Manager XI」、レポーティングツール「Crystal Reports Server XI」、クエリー/分析ツール「Web Intelligence XI」「OLAP Intelligence XI」、BIプラットフォーム「BusinessObjects Enterprise XI」、データ統合「Data Integrator XI」で構成されている。新機能にはMicrosoft Officeとのデータ連携を強化し、Office製品からのダイレクトなレポート作成機能や、レポート上で社内関係者が協議できるディスカッション機能などが挙げられる。

 徳末氏は「従来より当社が得意としていた大企業に加えて、Crystalシリーズとの統合を果したことによって、コスト面の問題でまだBIを導入できていない中堅企業も狙えるようになった。これによって大きく市場を拡大できるだろう」と語った。

(@IT 大津心)

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日本ビジネスオブジェクツ報道発表資料

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