2006年度末までにほとんどのCPUをマルチコア化、インテル

2005/4/7

 インテルは4月6日、報道関係者向けの説明会を開催し、米インテル 副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長 アビ・タルウォーカー(Abhi Y.Talwalkar)氏が、同社のエンタープライズ戦略などを説明した。

米インテル 副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長 アビ・タルウォーカー氏。右手に持っているのが、次世代Itanuim 2「Montecito(開発コード:モンテシト)」
 タルウォーカー氏はインテルのエンタープライズ戦略を、「従来の周波数重視/製品重視の戦略から、プラットフォームを重視した戦略へと移行する」と説明。「ITマネージャを対象としたエンドユーザー中心の戦略を推進する」と繰り返し強調した。プラットフォームは、「デジタルエンタープライズ」「モビリティ」「チャネルプラットフォーム」「デジタルホーム」「デジタルヘルス」に分類。それぞれの分野で戦略の強化を図る。例えばデジタルヘルス分野では、在宅治療に有効なシステムの開発などを検討しているという。

 このような戦略の下、同社はデジタル・エンタープライズ事業本部を新たに「サーバ」「クライアント」「ストレージ」「通信」の4種類のプラットフォーム向けに再構成した。特に今年は「ストレージと通信に力を入れている」(タルウォーカー氏)という。また、同氏はエンドユーザーのニーズを「ビジネスの拡大」「リスクの低減」「コストの削減」にあると分析。「当社がユーザーに求められていることは、これらのニーズを満たすためのテクノロジを提供することだ。例えば、PCI ExpressやHTの技術は企業の成長を支援できるだろう。RAS(Reliability:信頼性、Availability:可用性、Serviceability:保守性)はリスクの低減に、IAMT(Intel Active Management Technology)や電力管理機能はコストの削減に貢献できるはずだ」(タルウォーカー氏)と説明した。

 エンタープライズ向け製品は引き続き「Itanium 2」と「Xeon」を主力とし、64bitプラットフォームへの移行を推進する。Itanium 2に関しては、日本でもNECや日立、富士通などでの採用が拡大していると説明。「4月6日に富士通が発表したItanium 2搭載の32Wayサーバ『PRIMEQUEST』などは、メインフレームとしての信頼性と性能を備えている」と語り、同社が目指すメインフレームやRISCサーバからItanium 2への移行が順調に移行していると強調した。実際の64bitプラットフォームへの移行度合いに関しては、「2005年3月末時点において、台数ベースで約80%を達成しており、2005年度末までには100%を達成したい」(タルウォーカー氏)といった目標を示した。

 また、タルウォーカー氏はCPUのデュアルコア/マルチコア化も推進していくと説明。デュアルコアのXeonやItanium 2を順次出荷していくとしている。同氏は今後のデュアルコア/マルチコア化の計画について、「2006年度末までに、既存のほとんどのCPUをデュアルコアへ移行させたい。移行率はサーバでほぼ100%、デスクトップも最低50%以上は移行するのではないか」と予測した。そのほか、デュアルコア構成で仮想化技術も搭載した次世代Itanium 2である「Montecito(モンテシト:開発コード)」を披露した。

(@IT 大津心)

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