[VERITAS VISION 2005開催]
ベリタス、アーカイブにもグーグルのようなインターフェイスを

2005/4/28

ベリタス CMO ジェレミー・バートン氏

 米ベリタスソフトウェアは4月26日(米国時間)、サンフランシスコで開催中の「VERITAS VISION 2005」にて、コンテンツアーカイブソフトウェア「VERITAS Enterprise Vault 6.0」および、データリカバリソフトウェアの新バージョン「VERITAS NetBackup 6.0」を発表した。

 Enterprise Vault 6.0は、ベリタスが2004年9月に買収したKVault Softwareのソフトウェアがベース。今回のバージョン6.0では、従来のMicrosoft Exchange対応に加えて、Lotus Notes/Dominoに対応した点が大きな特徴だ。ExchangeとNotes/Dominoに対応したことによって、「世界で利用されているメッセージングの90%以上を管理できるようになった」(ベリタス CMO[Chief Marketing Officer] ジェレミー・バートン[Jeremy Burton]氏)。

 Enterprise Vaultは、サーバのInboxに保存されている古いメッセージをオンライン上の保存用サーバに圧縮/移動し、保存領域を軽減する。また、特定の個人を指定して、個人フォルダ(.PSTファイル)を保存用サーバに移動することも可能だ。保存されているメッセージは、オンラインで検索できる。特にバージョン6.0では、検索機能を強化したという。

 バートン氏は、「Enterprise Vaultでは、WordやPowerPointのファイルをHTMLに変換してアーカイブしている。これにより検索性が向上している。今後はグーグルのようなインターフェイスで、バックアップやアーカイブを検索して操作できるようにしたい。来年の前半にはこのような機能を提供できるだろう」と語った。

 NetBackup 6.0は、ストレージなどのバックアップやリカバリを行うソフトウェア。最新バージョン6.0では、Webベースで管理/レポーティングを提供する統合コンソール「VERITAS NetBackup Operations Manager」を初めて搭載した。また、バージョン5.0から搭載している高速データ保護機能をさらに増強し、ディスク使用時におけるデータのバックアップやインスタントリカバリの機能を強化している。

 そのほかの新機能としては、リソースのコントロールを行う「Intelligent Resource Manager」が初めて搭載された。Intelligent Resource Managerは、ストレージのバックアップや複製、データのリストアなどを含む、すべてのリソースの割り当てをコントロールし、優先順位付けを行う機能だ。

 今回の新バージョンの最大の特徴は、Enterprise VaultとNetBackupの統合を可能にしたことだ。統合によって、柔軟性やバックパフォーマンス、データコピーの最小化を実現したという。管理面では、NetBackupの管理機能がEnterprise VaultのOpen Storage Layerに統合された。これにより、階層型ストレージモデルにおいて、コスト削減やバックアップとアーカイビングの柔軟性を向上させた。

ルノーF1チーム ITマネージャ グレアム・ハックランド氏

 さらに、NetBackupとEnterprise Vaultの統合コンポーネントによって、シングルインスタンスのデータを組織全体で活用し、保護やアーカイブの対象となる余分なデータコピーの数を最小限に抑えることが可能になったとしている。

 ユーザー事例では、仏ルノーF1チーム ITマネージャ グレアム・ハックランド(Graeme Hackland)氏が紹介された。ルノーは1995年よりベリタスを利用している。ハックランド氏によると「昨今のF1は走行中のデータが急増しており、昨年と比較しても2倍に増えている。このことから、バックアップやデータアーカイブの重要性が増している」と説明。現在ルノーチームでは140台のUNIXワークステーションと500台のデスクトップPCが稼働している。また、設計段階においてもCADや3Dデザイン、空力などさまざまなデータが増加し、毎月24TBに上っているという。特に開発ではこれらのデータのうち、5〜6年前のデータを取り出したいというニーズが高まりアーカイブの導入となった。同社によると、アーカイブ導入により「コスト」「時間」の削減や、製品化を加速できたとしている。

(@IT 大津心)

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