アルカテル、柔軟性重視でIPテレフォニー市場に参入

2005/5/19

 日本アルカテルは5月18日、同社のIPテレフォニーソリューションを国内の中堅・大企業を中心に販売を開始すると発表した。ソリューションは、IP-PBXプラットフォーム「OmniPCX Enterprise」とコンタクトセンター向けアプリケーション「ルーティング・サービス・インテリジェンス」(以下、RSI)が柱となる。

日本アルカテル eビジネス・ネットワーキング事業部 事業部長 平井賢吾氏
  OmniPCX EnterpriseはLinuxをベースとし、筐体を選ばない「サーバ・インディペンデンス」と呼ばれるソフトウェア製品。このため、販売方法が複数ある。既製のLinuxサーバに搭載する方法と、アルカテルが検証した他社製品に搭載する方法だ。同社 eビジネス・ネットワーキング事業部 事業部長 平井賢吾氏は「将来的には、OmniPCX Enterpriseを企業の既存のLinuxベースのメディアサーバに搭載していければと考えている。また、欧米ではIBMやHPが自社のブレードサーバに搭載し、アプライアンスサーバとして販売している実績もある」と述べた。

 OmniPCX EnterpriseはSIPのほか、XMLやVoice-XMLにも対応し、音声を使ったWebアプリケーション開発も可能だ。

 RSIは、コンタクトセンターのソフトウェアを効率的に統合・管理するために独自開発したソフトウェア。コンタクトセンターの運営企業で、系列企業でもある仏Genesysのソフトウェアと連携することで、コンタクトセンターのPBXとスイッチを統合して運営することができるという。

 OmniPCX EnterpriseとRSIは、欧米ではすでに導入の実績があり、日本でも愛知万博のベルギーパビリオンに先行導入されている。中国・上海でアジア向けの製品を開発しており、アジアでは台湾、韓国に次ぐ発売となる。販売はパートナーを通じて行われる。

 平井氏は、OmniPCX Enterpriseがターゲットとする企業の規模を「5人〜20万人の企業」と想定。「ライセンス販売のためスケーラビリティが高い。15人で利用した場合には、100万円で導入できる」と述べた。

(@IT 富嶋典子)

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