SAPパートナー担当が来日し、「日本企業のリクルーティング」

2005/7/16

 SAP Labsのバイスプレジデントのビル・パタキ(Bill Pataky)氏は、SOA基盤「Enterprise Services Architecture」(ESA)のパートナーコミュニティで、SAP本社が欧米で展開している「Enterprise Services Community」について、「来日の目的は日本企業のEnterprise Services Comunityへのリクルーティング」と述べ、日本企業を含めたコミュニティ作りを進める考えを示した。

SAP Labsのエンタープライズ サービス プラットフォーム エコシステム マーケット・ビジネス開発 バイスプレジデントのビル・パタキ氏

 SAPはミドルウェア群「SAP NetWeaver」の発表などでESAの実現を進めている。ESAの実現で重要になるのがパートナーを巻き込んだエコシステムの構築。SAPはすでにマイクロソフトやシスコシステムズなど11社との提携を発表している。国内ではSAPジャパンがパートナーとの連携を図っている。

 SAPがEnterprise Services Communityのパートナーと進めるのは、「エンタープライズサービス」の開発だ。ESAでは「Webサービスでビジネスプロセスを連携させていく。プロセスを連携させるWebサービスがアルファベットとすれば、エンタープライズサービスはボキャブラリ」(パタキ氏)。エンタープライズサービスは、パートナーの製品とSAP製品が連携しやすいよう開発されるWebサービスのインターフェイス群。「エンタープライズサービスは、統合の可能性を広げる。ソリューション提供のためにどのようなビジネスプロセスが必要で、どのプロセスをESAと連携させていくかをパートナーと判断する」(パタキ氏)。

 SAP AGの会長兼CEOのへニング・カガーマン(Henning Kagermann)氏はエンタープライズサービスについて、「予定している1万のうち、すでに500を用意した」と述べている。パタキ氏は、パートナーがEnterprise Services Communityに参加することのメリットとして、「SAPが定義するビジネスプロセスに関わることができる」と説明した。

 SAPジャパンのソリューション統括本部 ソリューションマーケティング本部 ERP BW/SEM ソリューションオーナー 谷口氏裕志氏は、「今後、ESAが広がる際にはベンダとの接続性、ビジネスプロセスの統合のしやすさがポイントになる」と述べたうえで、「パートナーが製品を販売する際に、SAPへの拡張性がアピールできる」とコミュニティ参加のメリットを説明した。

 SAPはすでにアプリケーションベンダ向けの「Powered by SAP NetWeaver」など、ESA実現を目指すパートナープログラムを用意している。ただ、パタキ氏によると、Enterprise Services Communityは「次世代の統合を考慮するコミュニティ」で、SAPとベンダとの強い連携が特徴といえるだろう。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
SAPジャパン

[関連記事]
ユーザー会がSAP幹部に直接質問、「日々の疑問を聞く」 (@ITNews)
「すでにRunできる状態」、SAPの次期構想「BPP」が明らかに (@ITNews)
SAP NetWeaverの次期リリースでBPM機能が完全統合 (@ITNews)
SOA構築の共通言語、SAPがマスターデータ統合製品を投入 (@ITNews)
SOA導入の移行計画書を作成、SAPが支援プログラム (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)