BEAがWebLogic最新版を発表、「IBMとMS、3社の戦いになる」
2002/4/24
同社 CTO スコット・ディッゼン氏、各種標準化活動にBEAの顔として参加している人物 |
Webアプリケーションが普及しつつあるいま、Enhydra(米Lutris)が撤退するなど、この市場は統合・淘汰の段階に入った。ディッゼン氏は、同社とIBMの一騎打ちになったと語る。「BEAのWebLogicとIBMのWebSphereで市場の3分の2を占める。今後もさらなる統合が進むだろう」(ディッゼン氏)。将来的には、J2EEと.NETに収れんされるとし、「BEAとIBM、そしてマイクロソフトの3社の戦いとなるだろう」と続ける。
アプリケーション・サーバを土台としたJ2EEのアプリケーション・インフラは、標準技術に基づく統合(Webサービス、EAIなど)、Webのユーザー・インターフェイス(EIPによる情報のパーソナライズ、アグレゲーションなど)、そして、容易な開発を可能とするフレームワークという構想図を描く。同社では、それを実現するものとして、WebLogicをコアとしたインフラを提供する。ディッゼン氏はその特徴を、「単一のアーキテクチャ」と語る。同社は2月末に、WebLogic Server、「BEA WebLogic Portal」、「BEA WebLogic Integration」の3製品を統合した「BEA WebLogic Platform」を発表した。製品を別々に購入するよりもコストが抑えられるというメリットだけでなく、より連携を強固にした。管理を一元化できることなどから、業務が効率化するという。「100以上の製品ラインナップを持つIBMに対し、BEAはシンプル」と優位性を強調した。
性能に関しては、先日スウェーデンのJVMベンダを買収、その技術を利用したIAサーバ向けに設計したJVM「BEA JRockit」を提供することにより向上を実現するという。マルチスレッディングなどの機能を持ち、インテルとの協業により、「IAサーバ上でのJavaアプリケーションのパフォーマンスが飛躍的に向上する」と語る。
「WebLogic Workshop」画面例 (クリックで拡大) |
ディッゼン氏はまた、市場リーダーの地位を獲得するための取り組みとして、積極的な標準化団体への参画にも触れた。SOAP、WSDLなどを策定するW3C(World Wide Web Consortium)、Webサービスの相互接続性を検証するWS-I(Web Services Interoperability Organization)、そしてJavaの仕様にかかわる各種団体などだ。
「単一のランタイム・アーキテクチャ、クラスタリングやキャッシュなどの技術の先進性、プラットフォーム非依存、パフォーマンス、これらに加え、先日発表したWebサービスのフレームワーク「BEA WebLogic Workshop」(図参照)などで容易性も実現する。今後もJ2EE市場でのリードを維持していく」(ディッゼン氏)。
この日発表したWebLogic Server 7.0Jは、統合、セキュリティ、管理などの機能を強化した。特に統合に関しては、Webサービスの各種標準に加え、J2EE CA(connector architecture)、J2EE JMS(Java Message Service)をサポート、各種アプリケーションやデータベース、TPモニタなどとの接続性を強化した。
Webサービスの開発では、WebLogic Workshopとの連携によりJ2EEエキスパート以外の開発者とWebLogicベースでのコラボレーションが可能となる。
WebLogic Server 7.0Jは5月31日より、同社Webサイトよりダウンロードが可能。価格は1CPUあたり198万円。
(編集局 末岡洋子)
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日本BEAシステムズの発表資料
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