1週間でシステム診断、ベリタスなど

2005/9/21

 ITXイー・グローバレッジ、インサイトテクノロジー、ベリタスソフトウェアの3社は9月20日、システム診断サービス「SiGN」を合同で提供開始することを発表した。3社協業の目的は「APM(Application Performance Management、アプリケーションパフォーマンス管理)の浸透と市場の拡大」(ITXイー・グローバレッジ ネットワークソリューション部 シニアマネージャー 増山芳治氏)。日本では耳慣れない言葉だが、情報システムの性能を最適化するための運用管理手法として、欧米では最近徐々に広がり始めているという。日本市場で新たにAPM市場を立ち上げるため、コンサルティング手法とAPMツールを融合し、「SiGN」というシステム診断ソリューションを作成した。販売窓口はITXイー・グローバレッジ。

ITXイー・グローバレッジ ネットワークソリューション部 シニアマネージャー 増山芳治氏

 SiGNの診断サービスは3種類。

 J2EEを使用したアプリケーションサーバを診断する「SiGN for Application/J2EE」は、「SQL」「ロジック」「メモリ」「環境」「スケーラビリティ(拡張性)」の5項目でパフォーマンスを診断し、アプリケーションのボトルネックを特定する。

 「SiGN for Database/Oracle」は「CPU/Memory」「Disk」「SQL」「SGA」「領域」「設定」の6項目で相対評価を行い、パフォーマンス向上や安定稼働維持など具体的なアドバイスを提供する。

 アプリケーションとデータベースの両サーバを診断する「SiGN for AppDB」では、J2EEとOracleのパフォーマンス診断を同時に行い、ボトルネックの特定から改善のアドバイスまでを1週間で提供する。

 これらのサービスは、診断ツールの導入からログの回収までで約2日間、そして、ログの回収から診断書作成、診断結果の報告までで約3日間という短期間で提供する。なお、この約1週間のサービス期間中に、診断ツールと技術コンサルティングを組み合わせて提供する。このサービスにより、エンジニアはAPMツールの利用方法を習得できるわけだが、増山氏は「(ツールの)利用方法だけでなく、パフォーマンス向上のための技術指導もメニューに加えている。エンジニアのスキルアップを図り、日本におけるAPM市場を盛り上げていきたい」と長期的な視野での意気込みを語った。

 診断後のコンサルティングもオプションで用意している。増山氏によれば、「メモリなどのリソースの追加という手段ではなく、いまあるリソースで問題が解決できるような提案を心掛けている」とのこと。コンサルタントによるパフォーマンスチューニングも行うが、「できるだけお客さま自身にツールを使ってほしい。将来的にはお客さま自身でパフォーマンスチューニングができるようになってほしい」とし、日本市場におけるAPMの浸透という目的をあらためて強調した。

(@IT 長谷川玲奈)

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ベリタスソフトウェア

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