デスクトップ領域に風穴を開けたい、ターボリナックス

2005/10/21

Turbolinux FUJIを搭載したデスクトップPC

 ターボリナックスは10月20日、デスクトップLinuxOS「Turbolinux FUJI(version11)」(以下FUJI)を発表した。対ウイルス性能、軽快な動作、ネットワーク環境の優位といったLinux本来の特徴と、Winodwsとの高度な互換性を併せた「ハイブリッドOS」を製品コンセプトに掲げている。国産OSとして矜持(きょうじ)から日本語入力環境にも配慮し、第3水準、第4水準のゴシック体、明朝体を含む「リコーTrueTypeフォント」を標準搭載した。

 製品コンセプト「ハイブリッドOS」に表現されるように、FUJIは、使い勝手の面でWindowsの操作性を継承しながら、Linuxの特性を盛り込んだ“複合型”のオペレーティング・システムである。とはいえ、機能強化の中心となったのは、Linuxでありながら、Windowsと同等の環境を実現するというテーマにあったようだ。

 MSゴシックやMS明朝準拠フォントを搭載したり、「ディレクトリ」から「フォルダ」へと名称を変更したりするなど、細かい部分までWindowsライクな環境を目指している。互換性についても、MS Officeファイルとの互換性能を高めたStarSuite8を搭載、さらに、Linux上でWindowsアプリケーションを動作させるミドルウェア「David」も組み込んだ。Windowsドメインに対応し、Linux/Windows共存環境でもユーザー管理が可能となった点も同社が熱心にアピールしている点だ。

 「われわれは単なるWindowsクローンを作りたいわけではない」とターボリナックス マーケティング本部 プロダクト・マーケティング・マネージャ 久保和広氏はいう。同社はFUJIの発売を契機にWindowsに独占された「デスクトップ領域に風穴を開け」(ターボリナックス 代表取締役社長 矢野広一氏)る覚悟を示している。

(@IT 谷古宇浩司)

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ターボリナックスの発表資料

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