電子カルテブランドを統合して富士通追撃、NEC

2006/1/18

NEC 執行役員 岩波利光氏

 NECは1月17日、電子カルテシステム「MegaOakHR」を製品化したと発表した。複数の医療機関で電子カルテを共有する機能や電子紹介状を交換する機能、医療機関を連携する機能などを実装している。

 政府のIT戦略本部が2005年12月8日に発表したIT新改革戦略には、“導入目的を明確化したうえで、電子カルテなどの医療情報システムの普及を推進”していくとある。これは、統合医療情報システムを200床以上の医療機関(病院)に導入し、業務の効率化や医療安全、診療情報の提供を実現しようとするもの。このような市場ニーズの後押しを受けて同社は新製品の拡販を狙う。同社 執行役員 岩波利光氏によると、国内の医療情報システム市場におけるトップシェアを握るのは富士通(約40%)だが、「MegaOakHR」の発表により同社は国内トップシェアを獲得を狙う準備ができたとする。

 また、「MegaOakHR」の製品化を受けて、同社およびNECシステムテクノロジー、シーエスアイは、各社の電子カルテ製品を連携し、「MegaOakシリーズ」として協同で2005年6月に販売を開始する。

 従来、NECシステムテクノロジーとシーエスアイはそれぞれ「SyntheScope」「HS-MI・RA・Is」というブランドで電子カルテシステムを販売していた。これらのシステムはいずれも300床以下の、病院としては小規模なタイプをターゲットとしていたが、「MegaOakHR」(300床以上をターゲットとする)と統合し「MegaOak」ブランドに統一することで、「小病院から大病院まで電子カルテシステムをトータルにサポートすることが可能になる」(同社)という優位性が生まれる。

 新製品の販売価格は300床規模の場合で2億4000万円(税抜き)。同社は今後3年間で250システムの販売を見込んでいる。

(@IT 谷古宇浩司)

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NECの発表資料

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