メインフレーム並みのオープンシステム基盤、NTTデータ

2006/1/26

 NTTデータは1月25日、メインフレーム並みのサービスレベルをオープンアーキテクチャで実現するシステム基盤「PORTOMICS」を完成させたと発表した。「PORTOMICS」はハードウェアとOS、ミドルウェアを組み合わせたコンポーネントベースの基本システムである。IBMや富士通、日立製作所といったパートナー企業の製品と、同社独自開発の補完ミドルウェアおよび大規模システムの構築ノウハウを組み合わせることで実現した。

NTTデータ 基盤システム事業本部 田口久照氏

 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の集計を見ると、メインフレームとUNIXサーバの出荷額の比率は2002年度を境に逆転している(UNIXサーバ増)。これは、オープンアーキテクチャ規格に準拠するサーバ(ハードウェア)の信頼性がメインフレームに追いつきつつある状況が背景にある。メインフレームでは複数の演算器を使って演算結果を比較するのが普通だが、オープンアーキテクチャでこの機能に対応しているのはなかった。しかし、技術的にはすでに可能であり、「数年後には各社が普通に対応を表明をするようになる」とNTTデータ 基盤システム事業本部 田口久照氏はいう。そのほか、メインフレームの優位点であったさまざまな機能(活性交換機能、エラー訂正機能、メルチビットエラー訂正など)についても、一部企業の現行製品では未対応だが、1〜数年後には各社がそろって対応する見込みであるとする。メインフレーム対応ソフトウェアのオープンアーキテクチャ連携機能の強化も進んでいる。

 メインフレームからオープンアーキテクチャに移行しつつあるハードウェアおよびソフトウェアを組み合わせ、さらに基幹系システムに必要な技術要件を大規模システム構築ノウハウをもとに調整し、システム基盤として整理したのが「PORTOMICS」である。故障範囲の局所化、データの保護、サーバ障害時の待機系への高速切り替え、資源の効率的な利用、99.999%の連続運用の実現、アプリケーション開発の効率化など、細かい機能要件を満たすのは、ハードウェアとソフトウェア、あるいはミドルウェアの基本性能だけに頼るだけで実現できるわけではない。システムインテグレータとしてのNTTデータの優位性が試されるのはまさにこの点にあるといえる。

(@IT 谷古宇浩司)

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