HPの高性能ワークステーション登場、64ビット化の条件は出揃った

2006/6/27

日本HP パーソナルシステム事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 井上公夫氏

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月27日、インテルXeonプロセッサ5100番台を搭載したパーソナルワークステーションを2機種発表した。新製品は「HP xw6400/CT Workstation」と「HP xw8400/CT Workstation」。両機種とも注文仕様生産で、同社の直接販売Webサイト「HP Directplus」と販売代理店経由で7月下旬から発売する。

 高性能ワークステーションは、Riscチップを搭載したUNIX機から、インテルプロセッサとWindows(あるいはLinux)を搭載した仕様へと技術のトレンドが移り変わってきた。最近では、32ビット機から64ビット機への本格的な移行が課題となっていたが、インテルのXeonプロセッサ5100番台がリリースされるに及び、「PCワークステーションが64ビット化する要素がほぼ出そろった」(日本HP パーソナルシステム事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 井上公夫氏)。

 ハイエンド機であるxw8400/CTは、CAD、デジタル・コンテンツ・クリエーション市場といった大容量データを扱う現場での導入を想定している。xw6400/CTがターゲットとするのは、金融トレーディング市場など。同社の高性能ワークステーションは、ドリームワークスやピクサー、ルーカスフィルムをはじめとする映画制作スタジオへの導入実績があり、国内ではスタジオジブリがアニメーション制作のためのインフラとして採用している。かつてはSGIなどが担っていたUNIX機の需要がPCワークステーションに移行している現実を同社は強調する。

 今回同社が発表したワークステーションの中核に搭載されているのが、デュアルコアXeon5100番台のプロセッサと5000Xチップセットである。従来製品に比べ、プロセッサのクロックサイクルごとに、より多くの命令を供給できるようになった。また、実行効率が高められ、低クロック速度にもかかわらず、高いパフォーマンスが得られるようになった。前モデル搭載のシングルコアXeonプロセッサと比較して、「最大で4倍近い処理スピード(Excelマクロの数値解析ベンチマーク測定)を実現した」(同社)。

(@IT 谷古宇浩司)

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