Google Earth、将来的には建物の中も見えるようにする

2006/9/28

米グーグルのチーフテクノロジスト マイケル・ジョーンズ氏

 米グーグルのチーフテクノロジスト マイケル・ジョーンズ(Michael Jones)氏が来日した。「Google Earth」や「Googleマップ」の開発を統括している。

 Google Earthは衛星・航空写真を使ったWebベースの3D地図アプリケーション。同社は6月12日に米国で最新バージョンであるGoogle Earth 4.0をリリースした。フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語のバージョンが加わった。WindowsとLinuxのほかに、MacOS上でも使用できる。ジョーンズ氏はMacOSでデモンストレーションを行った。

 Google Earthのベーシック版にはタイムスケール機能を追加した。タイムラインのスライドバーを操作すれば、特定の地域の過去に撮影した衛星写真や画像が呼び出せる。「(時間の要素を加えることで)四次元の表現が可能になった」とジョーンズ氏は言う。これにより、ある地域の過去から現在の姿を表示させながら、将来的な姿を予想することができるようになるかもしれない。

3D表示の東京都庁

 最新バージョンでは、データベースを更新し、衛星地図画像の解像度を上げた。地球の20%をカバーする地域で、高解像度画像(1ピクセル当たり70cm)の画像を使用している。これは地球上の約21億人(が住む家屋)をカバーする数字だという。オランダや日本の一部の地域では1ピクセルあたり15センチの高解像度画像が使われるようになった。

 Google Earthは、街並みの3Dポリゴン表示ができるが、これらの立体画像にテクスチャを貼り付けられるソフトウェア「Google SketchUp」の機能も強化した。デモンストレーションでは、東京都庁がテクスチャを貼って表示された。将来的には、建物の内部の様子までも見られるようにするとジョーンズ氏は言う。ただし、その前に、世界中の建物のデータをそろえることが先決だ。

 そのほか、最新バージョンには、国連環境計画(UNEP)や米国立公園局、Discovery Networkなどのコンテンツが表示できるようになった。Discovery Networkが提供するコンテンツは、さまざまな地点に置かれたアイコンをクリックするとビデオ映像が流れる。コンテンツプロバイダが持っているコンテンツと地理情報システム(GIS)データを統合するKML(Keyhole Markup Language)言語は無償で利用可能。世界中で3万人以上の開発者がGoogle Earth APIを使ってサービスを開発している。Google Earthダウンロード回数は1億回以上。

(@IT 谷古宇浩司)

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