Y!ボタンを押すだけで生活に必要なものをタダで提供したい〜ソフトバンクが新携帯発表

2006/9/29

 ボーダフォン(10月1日からソフトバンクモバイル)は9月28日、2006年秋冬モデルとして新たに13機種54色の携帯電話端末を発表した。1回の発表では最多となる13機種の新製品を発表したほか、多くのカラーバリエーションを用意。折りたたみ式の3G携帯電話では最薄となる12.3ミリの端末を用意するなど薄い端末が多いのが特徴だ。ボーダフォン 代表取締役社長 孫正義氏は、「昔から日本の3G携帯電話はあまりにも分厚いと日ごろから思っていた。これからは、『薄いケータイはソフトバンク』で売っていきたい」と方針を語った。

孫氏が手に持っているのは「普段からよく使っている」というボーダフォンの端末「SLIMIA」。会見直前にロンドンから帰国したらしいが、「ロンドンでもこのままで問題なく使えた。薄くて使いやすい」とにこやかに語った
  10月24日から始まるMNP(モバイルナンバーポータビリティ)を前に、孫氏は「まるで戦いの前のボクサーのような心境だ。ソフトバンクは端末とコンテンツを重視している。これまでの『つながりにくい』という不満を払しょくするために急ピッチで基地局を増やしている。3月当初2万弱だった基地局は現在2万5000局に、来年3月までには4万6000局にする予定だ。ほとんどどこでも使えるようになる」と意気込みを語った。

 また、コンテンツ面でNTTドコモやauに対抗するため、10月1日から携帯電話向けの新たなポータルサイト「Yahoo!ケータイ」を開設。端末に用意した「Y!」ボタンを押すだけで閲覧が可能なようにする。孫氏は、「Yahoo!ケータイでは生活に必要なほとんどの情報が、タダで手に入る点が大きい。従来のベンダの公式サイトなどはほとんどが有料だ。これからはケータイがヤフーになるようなものだ」と語り、コンテンツにおける優位性を強調した。

新発表した13機種54色が勢ぞろいしている
  新端末の特徴は以下の通り。705SCはサムソン製のスライド式携帯電話で、世界の3G携帯電話で最薄の12.9ミリを実現、706SCも同じくサムソン製で国内の折りたたみ式3G携帯電話では最薄となる12.3ミリなのが特徴だ。また、ボーダフォンとしては初めてのパナソニック製携帯電話705Pも厚さ約14.8ミリ、約103グラムとスリム&軽量を実現した。910SHはシャープ製携帯電話で、国内で発売されている携帯電話としては初めて光学3倍ズーム500万画素カメラとVGA液晶を搭載している。910Tは東芝製で、Bluetooth通信を使ってワイヤレスで音楽を楽しめる1Gbytesのメモリ内蔵モデル。810SHはシャープ製端末で、女性向けのブリリアントフェイスデザインを採用したVGA液晶搭載モデル。811SHはシャープ製端末で、VGA液晶とPC向けサイトを楽しめるPCサイトブラウザを搭載した。

 810Tは東芝製携帯で、シンプルモードを搭載した使いやすさを追求したモデルだ。811Tは320万画素カメラとGPS機能を搭載したポップなデザインが特徴のモデル。705NはNEC製で、厚さ約16ミリの薄型モデル。705NK/Nokia N73はノキア製端末で、カールツァイス製レンズを採用したモデルだ。X01HTはHTC製で、Windows Mobile 5.0を搭載したHSDPA対応モデルで、下り最大1.8Mbpsのインターネット通信を実現する。C01SIはセイコーインスツル製で、世界初のHSDPA対応のコンパクトフラッシュ型データ通信専用カード。

 孫氏は、新端末について「いままでのボーダフォンの端末は『何となく使いにくい、何となく大きい、選択肢が少ない』との批判があった。しかし、今回は13機種54色だ。また、iPodとセット販売するモデルも好調だ。音楽と携帯電話をあえて合体せずに、通勤中はiPodで音楽を聴き、会社についたら携帯電話に持ち替えるスタイルでもいいのではないか。薄い携帯端末にはできる限りiPodとのセットを考えていきたい」と語った。また、MNPについては、「先行予約は、まだ万のけたの下の方しかない。ユーザーも様子見だろう。法人市場もてこ入れしており、いままでのボーダフォンの法人営業は100人程度しかいなかった。それに旧日本テレコムの法人営業を当てて、1000人体制に強化する。新端末とこれらの施策を実施すれば、善戦できると思う」と語った。

国内で販売されている3G折りたたみ式携帯電話で最も薄いサムソン製の「706SC」 ボーダフォンブランドでは初めての出荷となるパナソニック製の「705P」。このモデルも薄さを感じる約14.8ミリだ
国内の携帯電話では初めて光学3倍ズーム、500万画素のカメラを搭載したシャープ製の「910SH」。液晶画面も非常に美しい 「705SC」の待ちうけ画面。右下に「Y!」アイコンがあるのが分かる。取材時にはまだ「Yahoo!ケータイ」が始まっていなかったので、ワンクリックでYahoo!ケータイにいけなかった

(@IT 大津心)

[関連リンク]
ボーダフォンの発表資料(PDF)

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