ジュニパー、イーサネットに特化したキャリア向けルータ

2006/10/20

 ジュニパーネットワークスは10月19日、イーサネットに特化したキャリア向けレイヤ2/3対応サービスルータ「MX960」を発表した。イーサネットに特化しているため、日本のキャリアが求める高いポート密度や、安価なポート単価を実現した。

ジュニパーネットワークス 技術本部 本部長 坂本憲一氏
 MX960は、キャリア向けイーサネットルータの新シリーズ。従来のM/Tシリーズなどのルータ製品と異なり、ATMなどイーサネット以外のインターフェイスを用意していない点が特徴だ。その分、「高いポート密度や安価なポート単価を実現した」(ジュニパー 技術本部 本部長 坂本憲一氏)という。

 スイッチング/ルーティング容量は960Gbpsで、大きさは3分の1ラック。1シャーシに14スロットを用意し、SCB(Switch Control Board)を最大2枚、DPC(Dense Port Concentrator)を最大12枚収納できる。ポート密度は10GEの場合で48ポート、1GEの場合で480ポートとなっている。OSは、従来と同じモジュラー型OSであるJUNOS 8.2以降となる。最大の特徴は、IPv4/IPv6やMPLS、L2/L3VPN、VPLSなどのマルチサービスに対応している点だ。

 マルチサービスに対応したルータはまだ少なく、「イーサネットを利用してマルサービスを提供したいキャリアに訴求したい。主な用途としてはデータセンターにおけるアグリゲーションや、イーサネットのマルチサービスエッジなどを想定している。マルチサービスに対応しているため、複数のプラットフォームを導入しなくても1台でサービス提供できる点が強みだ」(坂本氏)と語り、MX960の強みを強調した。

 坂本氏によると、ワールドワイドのキャリア向けイーサネット市場は伸びており、2005年のキャリア向けイーサネット市場は22億ドルに上るという。2006年もワールドワイド全体の売り上げが第1四半期で6億5600万ドル、第2四半期で7億1500万ドルとなっており、堅調に伸びている。

 イーサネット市場が他国よりも早く立ち上がった日本においても、同市場が堅調に伸びている点は変わらず、「日本のイーサネット市場の立ち上がりは早かったが、いままでの製品はエンタープライズ向けを改良した製品が多く、キャリアで利用するには信頼性の面で問題が多かった。当社の製品は最初からキャリア向けに設計しているため、信頼性や安定性が根本的に違う。いままでのキャリア向け市場における当社製品の信頼度を糧にして、MX960などでリプレースを狙っていきたい」(坂本氏)と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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