「より広い、深いBIを提供」
SASが新パートナープログラム開始、売上倍増狙う
2006/10/21
SAS Institute Japanの代表取締役社長に9月1日付で就任した吉田仁志氏は10月20日会見し、企業の経営層が抱えるビジネスの課題を解決することを目的に新たなパートナープログラムを立ち上げると発表した。コンサルティングファームと協力し、柔軟なソリューション提供を可能にすることが狙い。SASは新パートナープログラムを柱に売り上げを今後3年で2倍にすることを目指す。
吉田氏は「ITシステムを成功させるにはエンドユーザー、ITスタッフ、トップマネジメントの3者とコンセンサスを取ることが重要」と指摘、新規パートナープログラムの設立でトップマネジメントへのアプローチを強化するとした。パートナーをコンサルティング、販売、導入・実装という各役割に分け、「顧客の問題解決に応じてパートナーとチームを組む」(吉田氏)という。SAS自社のコンサルティング能力も強化する考えで、全社の社員を3年で200人から300人に増員する。SAS自身のマーケティングも行って「経営層にSASをもっと知ってもらう」(同氏)という。
SASが強調するのは一般のビジネス・インテリジェンス(BI)を超えるBIソリューションの提供。BI市場は日本オラクルやSAPジャパン、マイクロソフトなどの総合ベンダが本格参入し、競争が激化している。総合ベンダはERPやデータベースと組み合わせた低価格なBIを展開している。吉田氏は「いわゆるツールとしてのBIだけがマーケティングされている」と指摘。そのうえで「単なるレポーティングツールを超える、より広く、より深いBIが必要だ」と強調した。
SASは同社のBIソリューションを経営に生かすための「情報進化モデル」を開発した。企業のIT活用度を示すレベル設定で、属人的なデータ活用のレベル1から、部門内での情報統合のレベル2、企業全体での情報統合のレベル3、情報、プロセス、組織を最適化するレベル4、情報を生かしてビジネスモデルを変革するレベル5まである。情報進化モデルは「BIソリューションを経営に生かすための具体的なロードマップ」(吉田氏)。同氏は「情報を活用するにはそれなりの覚悟とステップが必要だ」と話した。
吉田氏はまた「いままでノータッチだった」という官公庁向けソリューションも強化する方針を示した。行政の透明化や説明責任を明確にする流れの中、「業績管理を含めたBIが果たせる役割は多数ある」と判断した。
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