サンドボックス環境の実行結果をグローバルに共有

F-Secure、個人向けセキュリティソフト新版発売

2008/09/09

 日本エフ・セキュアは9月9日、個人向けセキュリティソフト「F-Secure Internet Security 2009」、「F-Secure Anti-Virus 2009」を発表した。同日ダウンロード版の販売を開始し、9月20日からは全国の量販店でパッケージ版の店頭販売を開始する。

fsec01.jpg 個人向けセキュリティソフト「F-Secure Internet Security 2009」(左)と「F-Secure Anti-Virus 2009」(右)

 F-Secure Internet Security 2009は、ウイルス対策、スパイウェア対策、ファイアウォール、侵入防止、ペアレンタル・コントロール、スパムメール対策、フィッシング対策を提供する統合ソフト。一方、F-Secure Anti-Virus 2009はウイルス対策とスパイウェア対策に特化したソフト。

 エフ・セキュアは1998年創業。フィンランド・ヘルシンキに本社を置くセキュリティ技術の老舗企業として、これまで法人向け製品を中心に事業を展開してきた。モバイル端末向けも合わせるとユーザー数は全世界で数千万を超えるという。近年はISP向けセキュリティサービスでセキュリティ関連技術を提供して業績を伸ばしている。

 日本では2006年版で個人向け市場に参入したが、先行他社に対して知名度が低く苦戦。今バージョンからは、従来のヨドバシカメラに加えて全国量販店3社でも取り扱いを開始して、店頭販売に比重を移すことでブランド認知向上と拡販を狙う。2009年版は1年間で8万ライセンスの販売を見込む。

サンドボックス環境で実行、未然に被害を防ぐ

 F-Secure Internet Security、Anti-Virusの特徴は、実行形式バイナリを初めて実行する際にサンドボックス環境を用いて挙動を確認し、悪意のあるソフトウェアの活動を未然に防ぐ「DeepGuard」機能。システムディレクトリやアプリケーションの実行に無関係なレジストリへのアクセス、不審なネットワーク接続などをスコアリングし、挙動の怪しいアプリケーションを判別する。

 2008年版では、このDeepGuardのために初回起動時に時間がかかるという問題があったが、2009年版では改善。新バージョンの「DeepGuard 2.0」では、起動時にエフ・セキュアがグローバルに管理するサーバ群に照会。すでに別ユーザーが起動済みのものであれば、ローカルPC上ではサンドボックスでの実行をせず、サーバに登録されたスコアを使うようになったという。

 このほか、新バージョンではインストール所要時間やスキャン時間を短縮したほか、ユーザーインターフェイスを刷新した。スキャンに要する時間は前バージョンに比べて約半分に短縮したという。

 価格はF-Secure Internet Security 2009の1PC 1年版が4980円、同3年版が1万500円。ダウンロード版が1PC 1年版で4200円、3年版が9180円など(価格はすべて税込み)。F-Secure Anti-Virus 2009の1PC 1年版は3980円、同3年版が8400円。ダウンロード版は1PC 1年版は3390円、同3年版が7480円。製品にはこのほか3PC版もある。

fsec02.png F-Secure Internet Security 2009のメイン画面

(@IT 西村賢)

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